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占部正尚

社員が活気づく「ペップトーク」で企業力をのばす講師

占部正尚(うらべまさたか) / 経営コンサルタント

マーケティングオフィス・ウラベ

コラム

「人手不足」は、御社の「問題点」ではありませんよ!(その1)

2016年6月7日 公開 / 2020年4月23日更新

テーマ:本質を見究める「ロジカルシンキング」

コラムカテゴリ:ビジネス

問題解決をテーマにした研修の際、「御社の問題点は何ですか?」の問いに「人手不足」と回答する受講生が目立ちます。大手企業の管理職クラスでも、このような発言をする方は意外と多いのです。
これは問題解決に限らず、タイムマネジメント、社内コミュニケーション、営業戦略など、さまざまなテーマの研修で同様に聞かれます。

便利な “言い訳” が、“言い訳の連鎖” を生む


これまで実施してきた数多くの研修の中で、次のような発言は枚挙にいとまがありません。
●売上が上がっていないのは・・・人手不足だから(見込み客との接触回数が少ない)
●残業が多く発生しているのは・・・人手不足だから(一人当たりの業務量が多い)
●ミスが多発しているのは・・・人手不足だから(一人当たりの負担が大きい)

こうして文字にして読んでみると、「なんだか言い訳がましいな」と感じる人も多いでしょう。何があっても「人手不足が問題点である」と言ってしまえば済んでしまうかのような勢いです。

では、人手を採用したら全てが上手くいくのでしょうか? 答えはNoです。一度、言い訳が通ってしまうと、人手が補充された後は、「人手(量)は足りたけど、能力(質)が足りない」とか、「人手を教育するのに時間がとられる」など、別方向の言い訳が多々発生することは目に見えています。

私は、こうした状態のことを「言い訳の連鎖」と呼び、顧客企業の皆さまには、このような状態に陥らないよう注意喚起をしています。

「問題解決のプロセス」で考えよう


事故や災害、お客様からのクレーム、人間関係の不和など、何かマイナスの事態が生じた時に使われるのが「問題解決のプロセス(問題解決に向けて考える手順)」です。これに沿って、ひとつひとつきちんと考えれば良いのです。

◎問題点: 自社やお客様の困った状態を客観的に把握
◎目 標: 本来あるべき姿や、今後目ざすべきレベルを考察
◎原 因: なぜ、問題点が発生したのかを分析
◎解決策: 原因を取り除き、目標レベルに向かう方策を案出
◎実行計画: 解決策が確実に実行されるよう5W1H化

logical

スタートの「問題点の把握」で注意しよう


しかし、スタートの「問題点の把握(抽出)」を誤って、問題解決が進まないケースを多々見かけます。前述のように、問題点を「人手不足」ととらえて諸悪の根源と考えてしまうと、結局は人手が増えるまで事態は改善しません。

さらには、人手を増やしたとしても新たな問題(人手が即戦力でない、教育に時間がかかる・・・など)が発生し、堂々巡り(マイナスの連鎖)から抜け出せなくなります。

このように、問題解決の入口で気づかないうちにつまづき、いつまで経ってもマイナスの事態が解決しない企業が意外と多いのが実態です。

御社の中で、何か解決しないまま放置されている事象はありませんか?

※参考リンク
1日で問題解決力がアップする研修 ⇒ ズバリ!問題発見・解決力だ

この記事を書いたプロ

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