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川口博正

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川口博正(かわぐちひろまさ) / 陸上コーチ

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コラム

スポーツにおける理論の必要性

2016年1月29日 公開 / 2016年2月4日更新

コラムカテゴリ:スクール・習い事

コラムキーワード: トレーニング方法

なぜ理論が必要か?

なぜ、スポーツに「理論」が必要なのか?

日本体育協会が発行している情報誌“Sports Japan”のvol.23にこのような見出しがありました。
理論があるのは当たり前だと思っていた私としては、このようなテーマを特集することが不思議でした。
しかしまだまだ経験に頼った指導をしている指導者が多いのが現状のようです。
理論が無ければブレが生じ、ブレが生じれば選手との信頼関係も築けないので、結果的に強い選手やチームを作っていくことは不可能ではないでしょうか?

競技経験に頼ることの方が難しい

私は現役時代に中長距離を専門としていましたが、自分の教え子が全国大会へ進出した種目は以下の順番です。
1.4×100mリレー
2.100m・ハードル
3.走高跳
4.200m
5.四種競技・駅伝
6.走高跳
7.3000m
8.走幅跳・800m・1500m
このように中長距離の教え子が全国大会へ進出するよりも短距離や跳躍の方が先に全国を経験しているのがわかります。

今は情報化社会なので、ネットで調べればたくさんの理論やトレーニング方法が載っていますし、親切に動画で紹介してくれていることも珍しくありません。
では、そのような情報に頼っていたら頂点に立てるのでしょうか?
みんなが得られる情報なので、その情報で頂点に立つことは難しいでしょう。
強いチーム、強い選手を育成するには、ネットなどに無いような新しい理論(発想)が大切だと私は思っています。
自分の専門としていた種目では、新たな発想を生み出すことが難しく、経験していない種目の方が自由な発想を生み出しやすいため、短距離や跳躍の方が先に全国大会に進出するという結果になりました。

科学的知識+ひらめき(発想)

根拠のないひらめきは結果につながらないだけではなく、怪我につながり選手生命を断ってしまうことに繋がりかねません。
大切なことは科学的な基礎知識をしっかりと学ぶこと!これは重要です。
科学的な根拠に基づいたひらめきはほとんど結果に直結していました。
科学的な知識をつければ誰でも新たなひらめきがあるわけではないので、そこは指導者としてのセンスになるのかもしれません。
しかし科学的知識をつけ選手を強くしたいと四六時中考えていれば、そこから何か生まれると私は信じています。
新しい理論
情熱のある指導者が、科学的な知識を学び、ひらめきがあり、それを検証する、その結果新たな理論が生まれるという感覚でしょうか。

理論は最強アイテム

昔は監督やコーチの考えたメニューに『何故これをやるんですか?』などと聞いたら『いいからさっさとやれ!』とか『自分もこれで強くなった』とか言われたかもしれませんね。
では、今の子たちに対しそのような姿勢で指導をしていたらどうなるでしょうか?
『あのコーチの言っていることは信用できないな』とか『きっと説明できないんだろうな』と思われてしまいます。
そのような関係性の中で結果を残していくことなどできるのでしょうか?

情報過多ともいえる現代では、説明のできない指導者は選手と良い関係など築けないでしょう。
指導者がオリンピック出場経験のあるのスター選手であれば、選手が何も言わずについてきてくれるかもしれませんが、そのようなことは稀なので、指導者がきちっと理論を説明して選手に納得してもらうこと大切であり、丁寧に説明した理論を選手が納得しながらトレーニングすることの方が結果につながるのではないでしょうか。
理論=説得力、であり
理論=方向性を示す、ということだと思います。
ジュニア期の選手であれば間違った理論を教えても、その間違いには気づくことは少ないかもしれません。
しかし間違っていたとしても、納得した上でのトレーニングは結果に繋がりやすいと思います。

私たち指導者は説明できないトレーニングを選手にさせてはいけません!
そして、選手側も理解していないトレーニングをしてはいけません!!

この記事を書いたプロ

川口博正

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