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コラム

評価者の注意ポイント

2023年5月25日

コラムカテゴリ:ビジネス

社員の定着率やモチベーション向上には、適正な評価制度の存在も1つの要素になります。
そして、その制度をいかに不公平感なく運用するかも重要になってきます。

例えば、営業成績のように数字で示せる定量評価できるものもあれば、自己申告や評価者の裁量に委ねられる定性評価もあり、特に後者の定性評価には評価者のスキルが求められます。

今回は、心理的な観点から、評価者が陥りやすい評価エラーについてご紹介したいと思います。

①ハロー効果
突出した特徴に引きずられ他の評価項目にも影響を及ぼす現象。
ex.有名大学出身だから、仕事も出来そう。

②中心化傾向
周囲への配慮や評価業務の自信のなさから、どの被評価者に対しても評価が中心値に集中する傾向。
ex.5段階評価の場合、3に集中する。

③極端化傾向
中心化傾向とは逆に、評価に差をつけなければと、評価が極端に偏ること。
ex.5段階評価の場合、1や5を選択する。

④寛大化傾向
部下に嫌われたくないため、不当に甘い評価をつけてしまう傾向。

⑤厳格化傾向
評価者が優秀なため、自身の経験や実績を基準に、不当に厳しい評価をつけてしまう傾向。

⑥逆算化傾向
昇格など総合評価を先に決めてしまい、帳尻合わせのために逆算して評価を調整すること。

⑦親近効果
共通点があったり、プライベートで付き合いがあったり、親近感を感じることで良い評価をつけること。
ex.出身校が同じで話が合った部下に良い評価をつける。

⑧論理誤差
事実ではなく、評価者の推論から評価を行うこと。
ex.豊富な海外経験から、仕事が出来るだろうと思い込み評価をつける。

⑨期末誤差
評価期間のうち最後の方の出来事の印象が全体の評価に影響すること。
ex.期末にミスが重なったため、全体的にミスが多い印象となって評価する。

⑩対比誤差
評価者自身や他の誰かを基準に、被評価者の能力を比較して評価すること。
ex.自分が英語が話せないため、語学力の高い部下に良い評価をつける。

⑪アンカリング
最初に提示された結果が基準値(アンカー)となって、その後の評価に影響を与えること。
ex.2期前に高い成績を収めたため、その印象で仕事のできる部下と思い込み高評価をつける。


以上、意識していないと生じやすい評価エラーになりますので、評価者としては十分に認識したうえで、評価されるといいと思います。
上記の事項に注意して、評価基準を明確にすることで、被評価者の意欲はもとより、評価者に対する信頼感もプラスに働くのではないかと考えます。

この記事を書いたプロ

福山研一

キャリア支援のプロ

福山研一(株式会社アステート)

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