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内山瑛(うちやまあきら) / 公認会計士

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コラム

平成28年度税制改正のポイント(1/2)

2016年7月28日 公開 / 2020年4月29日更新

テーマ:税金

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 税制改正

 今年度も、多くの税制改正がありました。個人に関する改正については、特に住宅に関する改正が注目ポイントです。相続した空き家を売却する際に適用される譲渡所得の3,000万円特別控除の導入は、今後の相続で活用が想定されます。

1.空き家に関する譲渡所得の特別控除の特例の創設
 相続による空き家の発生抑制・地域住民の生活環境への悪影響の防止を趣旨として創設された制度です。適用には、①家屋が区分所有建物でないこと、②昭和56年5月31日以前(旧耐震基準下)に建築されたものであること、③相続開始の直前まで同居人がいなかったこと、の3つの要件を満たすことが必要です。
 一定の適用要件を満たした空き家相続した相続人が、相続開始から3年以内に必要な耐震改修などを施して売却する、更地にして売却するなど一定の要件を満たした場合、居住用財産の3,000万円特別控除を適用できます。

2.住宅の三世代同居改修工事等に係る特例の創設
 世代間の助け合いによる子育て支援の観点から導入された制度です。個人が、その者の所有する住宅について、一定の三世代同居を目的としたリフォーム(キッチンや浴室、トイレなどを増設する工事等)をするにあたり、一定額を所得税から控除できる制度です。ローンを利用した場合と、自己資金による場合で控除額が異なります。
 自己資金による場合、工事費用額の10%(最大25万円)がその年の所得から差し引かれます。ローンwp利用した場合は、ローン残高に対応した一定額(1~2%)が所得から差し引かれます。(5年間、毎年最大12.5万円)

3.住宅ローン控除に関する法律上の欠陥の修正
 非居住者が非居住者期間中(外国に住んでいる場合など)に、住宅の新築・取得又は増改築をした場合でも、住宅ローン控除等が適用できるようになります。
 現行制度では、非居住者(外国に住んでいた人)が、住宅を新築・取得又は増改築等をしても、住宅ローン控除等を適用できないことになっています。この改正により、住宅ローン控除をはじめとする以下の対象制度の活用の幅が広がります。
・住宅借入金等を有する場合の税額特別控除(所得税・住民税)
・特定の増改築等をした場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例(住宅ローンあり)
・既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除
・既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除 など

4.自主服薬推進のためのスイッチOTC薬控除の創設(医療費控除の特例)
 軽度な身体の不調について、自分で手当てするセルフメディケーションを推進する観点から創設された制度です。薬局などでスイッチOTC医薬品(何が該当するかは薬局でお尋ねください)の購入対価が、年間12,000円を超える場合、その超える部分の金額(ただし88,000円が限度)をその年分の総所得金額等から控除することができます(所得税・住民税)。

5.通勤手当の非課税限度額の引き上げ
 会社等から支給される通勤手当は、現行では月額10万円まで所得税・住民税は非課税ですが、平成28年1月1日以後、月額15万円に引き上げられました。

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