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コラム

AIで私たちの仕事はどうなる?経営は?採用は?社員教育は?欧米ビジネスリーダーの見解

2023年8月1日

テーマ:欧米の最新技術

コラムカテゴリ:ビジネス

AIイメージ



はじめに


Chat GPT がリリースして2か月で一億人の月間アクティブユーザーに達するなどAIが私たちの日常にある社会がやってきました。AIの普及によって、職が失われるのではないかという心配をされている方もいるかと思います(私もそうでした!)。今回は、欧州最大のテックカンファレンスViva Tech 2023などで欧米ビジネスリーダー、AIの研究者が議論や発言から、私たちの仕事はどう変わるのかをまとめてみました。読んで、少しでも、こういう対策ととればよいのかとほっとしていただけると嬉しいです。

AI普及のインパクトはどんなもの?


インターネットが出現した時や、iPhoneが登場した際、私たちの生活や仕事のやり方が大きく変わりましたが、AIもおおむね同じだと言われています。すべての産業、そして私たちの生活に変化を及ぼします。すでにメールで迷惑メールを自動で仕分けしてくれたり、メールの文章を起案してくれたり、分類してくれたり、検索で自分の好みを反省した結果を表示してくれたりとAIは私の仕事や生活にかなり入り込んでいます。AIの機能は、様々ありますが、その中でも特に自動化とコンテンツの作成が注目を浴びて、今後ますます進んでいくでしょう。これについては、追って触れます。

職は失われてしまうのか?


皆さんが気になっていると思われるこの質問ですが、欧米のビジネスリーダーは、インターネットやスマートフォンが登場した際、淘汰された仕事があったように、AIの普及で淘汰される仕事はあると言っています。一方で、上記の通り、AIは連続的で退屈な作業を代行してくれるようになりますが、複雑な作業は引き続き人間が行わなくていけません。例えば、分析業務をAIを使ってできるようになった場合でも、分析結果が正しいかどうかの最終判断は人間が責任をもって行う必要があります。ですから、いくらその分野に詳しくない人がデータを入力して、AIを活用して分析できたとしても、最終的な分析結果が精度の高いものであるかどうかは、専門知識がないと判断できません。ですから、AIの使い方をわかっていても、専門知識がないと、その業界に簡単に参入できるわけではありません。ですから、AIの普及で世の中の多くの仕事がなくなるということはないだろうと言われています。むしろ、大変なのは、AIの普及に伴う仕事の内容や、仕事のやり方の変化に対応していくことだと言われています。

会社経営全般にどんな影響を受ける?


AIはすべての産業にインパクトを与えると言われています。特に恩恵を大きく受けると言われているヘルスケアや教育、コンテンツ産業などです。例えば、ヘルスケアでは、個人の遺伝子や生活習慣をAIが理解し、その人にベストマッチする治療法や予防、食事を提案してくれたり、スマホで症状を撮影し、AIがお医者さんのレベルで診断してくれるといったことが近い将来可能になると言われています。

それ以外の産業でも、前述の通り、AIの普及により仕事のやり方、システムが大きく変わります。先ほどお伝えした仕事の自動化が進み、メールの返信、プレゼンの作成など連続した退屈な仕事はAIがやってくれ、人間はより複雑な仕事に従事できるようになります。

そこで、経営者の方々は、自分の会社で社員がしていること(AIに任せること、社員がやるべき仕事)、仕事のプロセスの見直しや自社のサービスの価値の見直しが必要になります。

自社のサービスの見直しについては以下の質問をご活用下さい。

  • 今、提供しているサービスは、AIが自動的にしてくれるサービスかどうか?もしそうだった場合、どんな付加価値を提供できるだろうか?
  • AIが社員の作業の一部を担ってくれ、社員はもっと複雑な課題に集中できるようになったら、どんな課題に取り組みたいか?
  • AIが普及した後、望まれるサービス、変わらず価値あるサービスは何だろう?


特に2番目の質問が大切です。より複雑な課題(例えばSDGsといった社会規模課題、地球温暖化、環境問題、インクルージョン)などあなたの会社のミッションを見直してみましょう。

AIの導入におけるアドバイス


インターネットやiPhoneの普及で10年以上かかったので、AIも徐々に浸透していくようになります。そこで欧米のビジネスリーダーや研究者は、(AIの導入は現時点では、コストがかなりかかりますし)長いスパンで取り組みましょうと提唱しており、忍耐、やりがなら学ぶ、アジャイルな精神が大切と唱えています。

個別のアドバイスもここでご紹介しておきます。

社員教育


欧米ではアップスキリングとかリスキングといった言葉を使いますが、社員がAIを使いこなせるようになるよう教育が大切になってきます。IBM EMEAのジェネラルマネージャーは、自分たちがAIユーザーであるという意識からAIクリエイターであるというマインドに変えることが大切と言っています。社内で例えば、Chat GPTを使って、仕事に必要な情報を検索する場合、入力するデータによって、検索結果は変わります。意図次第で、アウトプットの精度は変わります。自分たちが質の高い検索結果を出すんだといったマインドで仕事に臨んでもらうようにマインドの大切さをまずは訴えることが大切です。また、これまで以上にデータの取り扱いが重要になります。すでにデータの取り扱い責任者を任命されている企業様が大半だとは思いますが、特にChat GPTのようなオープンソースのソフトウェアを使う場合、インプットしてよいデータと個人情報などインプットしてはいけない情報の分類などもきちんと社内で定めておくことをお勧めします。

採用


IBM USAでは、採用されている人の50%は、技術力をかわれて採用されており、大卒ではないどうです。今後、社会に求められるスキルを身につけている人が学歴にかかわらず求められる傾向が高くなると欧米のビジネスリーダーは語っています。採用でお困りの経営者の方が多いと思いますが、採用戦略を練るにあたり、以下の質問もご活用下さい。

  • 出身大学などに関係なく、会社のミッション遂行に最も必要な技術やスキルななんだろう?
  • その技術やスキルを身に着けている人は、どこで習得しているのだろうか?
  • (今は、無料でコーディングが学べたりできる時代です。)会社に必要な技術やスキルを入社後に習得できる環境を整えられた場合、どんな人材が欲しいだろうか?技術やスキル以外で会社に欲しい人材はどんな人材だろうか?


さいごに


AIの進化に当初恐れをなしてしまい、AIよ、これ以上進化しないで~と私は思っていました。でも、人間とは、進化を止められない動物です。ですから、うまく技術の進歩と共存していくほうが、精神衛生的もハッピーです。私は、AIの普及によって、私ではなくてもできる作業はAIがしてくれて、私は、より複雑で、時間もかかる大きな課題、ミッション、つまり天職に取り組めるようになるんだと思うようにマインドを切り替えました。経営者の皆様も、AIの普及で会社がより社会に貢献できるようなるというマインドセットをされて、長期的スパンでAI戦略、経営戦略をお考えになれば、会社の発展につながるとか思います。

私のセッションでは、お客様からお話を丁寧にお伺いしながら、会社の経営戦略を練るお手伝いをさせていただいております。セッションを受けることで、一人では浮かんでこなかった深い回答、つまり会社のコアの価値が得られる効果があります。

セッションご希望の方は、メールでのお問い合わせをクリックしてご連絡下さい。

この記事を書いたプロ

佐藤香里

選ばれる企業をつくる対話型ビジネスコンサルティングのプロ

佐藤香里

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