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長島武

証券マン歴38年の独立系FP、CFP資格も持つ資産運用のプロ

長島武(ながしまたけし) / ファイナンシャル・プランナー

長島FP事務所

コラム

現在(2023年12月8日)の株式市場での懸念材料

2023年12月8日 公開 / 2023年12月9日更新

テーマ:投資

コラムカテゴリ:お金・保険

日本と米国、日本と欧州との金利差があると思います。
「マイナス金利」のとこで書いていますが、米国も欧州も2022年からは金利を上げ始めて、インフレ対策を取り始めていました。(インフレが収まったかどうかは、別として) 日本が、マイナス金利の解除を近い内に実施するのではと予測され、為替も円高、10年債の金利も上昇(単価は下落) 昨日の株式市場(−587円)も大きく下げています。金利、株価、為替、は連動します。
12月5日 日経新聞の大機小機のとこで「アルゼンチンと日本」という題で記事が載せてありました。私は、驚きました。この記事の中に1900年代初頭は、アルゼンチンは、米・英に並ぶ先進国であったという事です。100年の間にデフォルト国になっていたのです。
現在はIMF(国際通貨基金)の支援を仰いで、過去9回デフォルトを経験しているのです。100年に及ぶ衰退の背景として、いくつか挙げられています。その中に、政治の不安定、政策と財政のばらまき、経済への介入主義、金融政策と為替政策の失敗、通貨ペソに対する国民の信任失墜他・・・と。新聞記事の要約ですが、現在G7の主要国である日本がアルゼンチンを反面教師にすべきであろうと終わっています。
11月29日の日経新聞に、日本銀行が保有する国債の含み損
2023年9月末:10兆5000億円とでていました。
2022年9月末:   8749億円
金利が上がってきているので(単価下落)含み損がでるのです。
日本銀行は簿価評価(買値で評価する)なので評価損は、影響ありません。しかし、これから金利が、上がり始めると含み損は、どんどん拡大していくでしょう。含み損で10兆5000億円ですよ。私など、金額で麻痺して想像もしにくい数字ですが、少子化対策で1.7兆円や追加防衛財源1兆円などの数字をみても、いかに含み損が大きい金額かはわかります。
11月30日日経新聞には、23年度の国債の利払い費用が、8.5兆円とでています。内閣府の試算では、32年度は、利払い費は、18.4兆円とでています。こちらは、払うお金です。金利が上がるという事は、銀行から借金している企業、住宅ローンを使用している人、自動車ローン、クレジットカードを利用している人だけではなく、債券を保有している銀行や生保、損保など機関投資家の評価損の拡大だけでなく、そして、日本銀行の保有している国債の評価損だけでなく、日本銀行の利払い費の拡大(国民の税収が使われる)、大きく経済(財源不足から増収案を考える)に影響ありますね。
特に、懸念しているのは、2022年にイギリスのトラス首相が49日間で退任しました。大規模減税策を発表したのですが、財源がないと市場から信任されず、株式も債券市場も為替も、大きく変動した記憶あります。
今は、このような状況下です。あくまで個人的な懸念ですが、日本は、アルゼンチンのようには、なってほしくないですね。





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