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長島武

証券マン歴38年の独立系FP、CFP資格も持つ資産運用のプロ

長島武(ながしまたけし) / ファイナンシャル・プランナー

長島FP事務所

コラム

初心者向け証券勉強(債券9:アメリカの現在の金利水準)

2023年11月28日

テーマ:投資

コラムカテゴリ:お金・保険

債券・株式・為替は連動します。株式よりも為替よりも債券の動きが私は一番速いと(世の中に動きを反映する)思っています。それでは、アメリカの債券の動きを見てみます。「逆イールド」という言葉を聞いたこと、新聞で見たことある人は多いと思います。通常、残存期間が長い方が短い方より利回りが高くなるのです。10年で発行する債券の利回りが、2年で発行する債券の利回りより高くなるのです。お金を貸す人の立場に立つとわかりやすいです。今、アメリカの2年債の利回りは、4.9633%です。10年債の利回りは、4.482%してます。短い方が高く、長い方が短い、逆になっています。逆になっている利回り曲線を「逆イールド曲線」と呼ばれています。問題は、何故、「逆イールド曲線」が注目されているか。景気が後退して不況になる確率が、「逆イールド曲線」がでると100%ではないですが高いのです。先の景気の悪さを債券市場が折り込んで、長い方の金利が下がっていると見ます。アメリカの株式は、今年前半も好調でここ数ヶ月は、横ばいでしょうか。しかし、アメリカ社会の金利を見ていくと安心ばかりもしてられません。クレジットカードの金利は、2023年9月22.16%です。過去最高付けています。1年前は16.65%でした。住宅金利を見てみます。アメリカは日本と違い固定金利が多いのですが、現在、30年固定金利で7.41%です。少しだけ直近下がりましたが、3年前は、2.9%です。ちなみにリーマンショクの前でも6.76%です。リーマンショック前を現在は超えているのです。自動車ローンはどうでしょうか。自動車ローンの延滞滞納率が、1994年以降の最高水準を9月に記録してます。アメリカは、カード社会ですから金利が上がってくると返済が厳しくなり、消費が落ち込み景気にとってマイナスになります。これに加えて学生ローンの返済が9月からはじまりました。今後もアメリカ債券市場の動向は、日本市場を考える上で、注意が必要だと思います。
次は、「マイナス金利」について説明します。

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