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コラム

なぜ倒産?!その②

2019年10月31日

テーマ:経営の基本

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 働き方改革

こんにちは、中小企業診断士の鈴木崇史です。

前回に引き続き『なぜ倒産』(日経トップリーダー編)の事例を通じて研究を深めていきたいと思います。

是非お付き合いください。

「賢者は歴史に学ぶ、愚者は経験に学ぶ」といいます。ベテラン経営者の方もせいぜい数十年の人生経験から答えを導きだそうとせず、他者の失敗例の蓄積を学んでいきましょう。

CASE②昭栄化工(オートバイヘルメット製造・販売)

本章の題名は『ギアチェンジを忘れたワンマン社長の誤算』とあります。

また「強気の経営も市場が伸びているときはいい。しかし、守りが必要な時期もある。バブルが弾けてこの弱点が表面化した」○○社長には(中略)状況に合わせた経営のギアチェンジが出来なかったようだ。

と記載されています。バブル崩壊期に経営に失敗した企業への評論としてこの手の物は多いです。

しかし、私は景気の変わり目を確実に予想しギアチェンジできることなど不可能だと思います。

一方でバブル期に痛手を被らなかった数少ない金融機関があります。

私の古巣の北洋銀行です。

当時の武井頭取という方は「異常なことは長くは続かない」という考え方のもと、バブルの途中からアクセルを踏むのをやめていました。

それならできるのではないでしょうか。

社長としては絶好調の業績の中、どこまでもアクセルを踏みたくなるものです。しかし、歴史観として「異常なことは長くは続かない」と頭の片隅に置いておくことが必要です。

そして会社の業績が絶好調の時にこそ、慎重論を言ってくれる補佐役が必要になります。良薬は口に苦し。

もう一つ本章でも指摘されているのは「ワンマンであるがゆえに有能な役員は次々に辞めていった」という点で『なぜ倒産!?①』の企業とも共通します。

そもそも社長は自らの過ちを認められず、方針転換をしにくいものです。

しかしそれは方針転換が悪いこと、恥ずかしいこととの思い込みによるものです。

中国の古典ではリーダーの頻繁な方針転換を「朝令暮改」として良くないものとする一方でリーダーがガラッと方針を変えることを君子豹変と言葉で表します。実はいい言葉なのです。

私の前職の経営者は「朝令暮改」よりもスピーディーな方針転換を良しとして「朝礼昼改」を経営方針としていました。

今からでも遅くはありません。あなたの会社でも「異見会」と「朝礼昼改」を取り入れて、君子豹変を良しとしてはいかがでしょうか。

この記事を書いたプロ

鈴木崇史

起業・融資・補助金・事業承継の認定専門家

鈴木崇史(合同会社SDGs経営サポート)

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