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木村知子

通常学級での学びをサポートする発達相談&学習支援のプロ

木村知子(きむらともこ) / 子育て&学習支援トレーナー

完全個別学習支援教室 まちるど

コラム

行き場のない子どもたち

2023年1月27日

テーマ:発達障害児の子育てと勉強

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

行き場のない子ども

最近は学校や塾だけでなく、子どもたちが学べる場がとても広がりました。
学校に行きづらい子どもたちはオンラインやフリースクールで勉強できたり、子ども食堂での学習支援のように安価で質の良いサービスも増えてきています。

対人恐怖
しかし一方で、こんなに豊富な学習支援サービス、居場所が提供されてもなおその仕組みからこぼれ落ちてしまう子どもたちがいます。どんな支援の手も届きにくい子どもたちです。学校に行かずゲームばかりしている、友達とも遊ばない、学びの意欲は全く失せてしまったと親が途方に暮れることも少なくありません。まちるどではこういったどのセーフティーネットにもかかりづらい子どもたちの支援を続けてきました。そこで私たちの経験から言える支援の難しい子どもたちの特徴を3つ挙げてみたいと思います。

【支援からこぼれ落ちてしまう子どもたちの特徴3つ】
1.対人恐怖がある
2.わずかな発達の遅れがある
3.ASDによる特性で人への関心が薄い

1. 対人恐怖がある
一つ目は対人恐怖のある子どもたちです。いくら集える場所があっても、例えオンラインサービスでもそこに人がいる限り、子どもたちは入っていくことができません。この取り残された子どもたちをどう支援するのかは私たちの課題でもあります。私たちと繋がれた子どもたちは本当に私たちがラッキーで、よくぞお母さんが私たちのところに連れてきてくれたと初めお母さんにお会いした時に必ず謝意をお伝えします。

対人恐怖があると学校や教室に入れないこともあります。人がいる空間に激しく抵抗する場合もあります。アウトリーチできればいいのですが、子どもたちにとって家は聖域なので家庭訪問はできません。コンタクトを取るのが非常に難しいのです。世間から見えない子どもたちは親がSOSを出してくれない限り支援を始められません。子どもが人に会えない、社会に参加できないというのは子どもの発達にも大きな影響を及ぼしますし、家庭が不穏にもなります。しかし解決が非常に難しく、すぐに効果のある支援法がないのが現状です。背景にいろいろな課題、問題を抱えていることも多く一筋縄にはいかないのです。

2. わずかな発達の遅れがある
二つ目は目に見えない少しの遅れがある子どもたちです。発達の遅れ、学力の遅れ、社会性の遅れ、これらがあると年齢相応の学習、人間関係の構築が難しくなります。同級生の輪に入れない、勉強がわからない、学校が楽しくない、全てが悪い方向に向かってしまいます。こういった子どもたちはあらゆる場面で常に気を使っているため心のエネルギーを消耗し、不満、不安を蓄積しています。そのため問題行動に走ったり、不登校になってしまうこともあります。周りの大人も腫物にさわるような接し方をしてしまうため、子どもはかえって殻に閉じこもり、本心をなかなか打ち明けてくれません。「良い大人はいない」これが子どもの本心です。大人の支援は子どもには届きにくいのです。

3. ASDによる特性で人への関心が薄い
そして三つめはASDによる人への興味、関心が薄い子どもたちです。声をかけても周囲の言葉は伝わりにくく、話しかけてもわずかな反応しか見せません。問題行動、周囲とのトラブルがない場合は放っておかれることもあります。対人関係に弱さがあると社会性、言葉の発達に必ず負の影響が出ます。言葉が通じない、言われたことができないなど、コミュニケーションをうまく取れず孤立してしまいます。


孤独な女の子

行き場のない子どもたち

こういった特徴のある子どもたちはどれほど大人が提供するサービスが充実していてもこぼれ落ちてしまいます。社会の支援の枠組みが、医療は命、福祉は障害、教育は定型を対象にしているため、命に別状はなく、障害認定も受けられず、でも定型の社会には溶け込めない子どもたちは行き場を失ってしまうのです。さらに悪いことに、こういった子どもたちの支援は非常に難しいため、民間サービスやボランティアの方たちが誰でも簡単に取り組めるものではありません。既存の枠組みからこぼれ落ちる、民間サービスでは対応してもらえない、行き場を失っているのは、あらゆる支援にかかれない「間(はざま)の子どもたち」です。

どこにも行き場がない子どもたちをどう支援するのか。私たちもオールマイティーな手法を持っているわけではありません。一人に何十時間もの時間をかけて対応を検討することもあります。また支援法を一度決めても子どもの発達に応じて支援内容を変えていく必要があります。学習支援、発達支援を引き受ける人数に制限があるのはそのためです。子育て同様、人の支援にはとても手間暇がかかります。それを省いてさっさと効果の出る人支援は不可能です。私たちは何年もかけて、親も子も成長できる息の長い支援を続けています。

残り学習支援枠1枠、セラピー枠1です。支援を検討されている方はお急ぎください。

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木村知子(完全個別学習支援教室 まちるど)

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