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木村知子

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木村知子(きむらともこ) / 子育て&学習支援トレーナー

完全個別学習支援教室 まちるど

コラム

発達障害児育児と仕事の両立を諦めない!

2023年1月31日

テーマ:発達障害児の子育て

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

両立
発達障害児育児は健常児育児の労力の数倍かかると言われています。いえ、数字で表せるものではありませんね。とにかくきつい。通院や療育、通級指導、トレーニングのためにママが仕事を休んだり辞めたりということも珍しくありません。こんなはずではなかった、私の今までのキャリアは何だったのかと思い悩むママも多いことでしょう。

私の人生はこんなはずではなかった!という怒り

なぜ私だけがこんな辛い目に…。なぜ私は普通の生活が送れなかったのか…。学校行事も楽しく参加したかったし、ママ友と子連れランチもしたかった。さらにはもっと切実に、子どもが大きくなったあとのキャリア形成や起業を計画していたママもいることでしょう。それが一瞬にして崩れ去るとなれば怒り心頭になるのも無理はありません。そしてさらに悪いことにこの怒りには行き場がなく、慰めの特効薬もありません。どうすることもできない現実にただ嘆き、そして心に引っかかるのは母親になんてならなければ良かったという後悔…。そう思いつめてしまっても不思議ではありません。

ママばかりが我慢を強いられる不公平感

私は自分の人生を脅かされそうなのに、夫は平気そうな顔をしている。人生を犠牲にするのはいつも女の私。私だけがキャリアを諦め、一日中障害のある小さな我が子の相手をし、こんなに疲弊しているのに、なぜ夫は今まで通りの生活なのか?納得がいかない。それだったら私が仕事をして夫が家事も育児もすればいい!それができなくてもせめて半分ずつはできるはず。なぜ…。

同じ穴のムジナ

ママの辛い気持ちが痛いほど伝わってきます。同じような道をたどってこられたママも多いのではないでしょうか。でも、ちょっと待って!これって実はママも夫と同じ考えを持っているということではありませんか?!このママの言い分だと誰かが子どものお世話をしてくれるのなら自分は働きたいと思っているということです。でももし子どもの育児を一手に引き受けてくれる誰かが現れたとしても、それは第二のあなたを生むことになります。それはまさしく今夫がしているのと同じこと。自分は仕事がしたい、自分が犠牲になるのはイヤだと思っているのに、自分も他の人(子どもを見てくれる人)に対して同じことをするの?という新たな問題が出てきます。

夫と育児分担のケンカをしても何も解決しない

では夫婦で半分ずつ育児を分担することについてはどうでしょうか?恐らくは今の日本の働き方が変わらない限り実現は非常に厳しいと思います。そして今発達障害児育児をしている親にその変化を待っている時間はありません。キャリアと子育ての成功の秘訣はいかに自分のスケジュールを柔軟に組めるかにかかっています。夫婦が勤め人で組織にいる場合は両方が子育てに臨機応変に対応するというのは非常に難しいと言えるでしょう。

そして、ママはそんな日本の現状をよく理解しています。だから自分のワークライフバランスを取る前に夫の勤務体制を優先します。経済力がなくなっては一家が総倒れになることもわかっているからです。そのようにしてママ側がすべてを諦め、子どものケア側に回るという構図が出来上がります。きっとママはそれは仕方のないことだとわかっています。葛藤を抱えながらも何とか気持ちの折り合いをつけようとしています。でも、それでもモヤモヤが収まらない。それはどうしてなのでしょうか?

発達障害児育児に歩み寄らない夫

ママの気持ちが晴れない本当の理由、それは夫が真剣に子どもに向き合っているように見えないことです。(ここで夫側の気持ちをフォローしておきますと、我が子のことはもちろん心配しています。)我が子の置かれている状況を理解しようとしない、知ろうとしない夫の思いが一番表れているのが「よくわからない」という言葉です。夫が子どもの知能検査や心理検査結果を見たとき、医師の説明を聞いたとき「よくわからない」と言う、この言葉はママをとてもがっかりさせます。ママだってわからないのです。それを必死に勉強してわかろうと努力して、精一杯できることを探しながら子どもと向き合っているのです。そこに夫の他人事のような言葉を聞くとママはとても悲しくなるのです。自分もどん底にいるのにその気持ちを分かち合えない、何なら考えすぎと言われる、そんな孤独な状況にママは絶望しているのです。悲しさに耐えながら困難な育児をただひたすら一人で続けている、そんなママも多いと思います。

ママは本当に自分の気持ちを100%犠牲にしているか?

話をママのキャリアに戻しましょう。自分のキャリアをぶち壊され、我が子への怒りが収まらないママ。その怒りは夫への失望であることもお話ししました。でももしそうであるなら、夫に不満を抱ているのなら、自分もキャリアを第一優先に考えれば良い、子どもの療育やケアをしなければ良い、そう思いませんか?でも、ママはその選択を取りません。我が子とのかかわりを優先します。なぜでしょう?責任感?世間体?いいえ、それは、本心ではママは子どもとの絆を失いたくないと思っているからだと思います。「将来子どもが大きくなって困っているときに一番に相談してくれるのは自分でありたい」、「子どもが落ち込んでいるときに心を開いてくれる相手は自分であってほしい」、「たとえ今は言葉がおぼつかなくても表情で子どもの気持ちがわかるのは私だけ、自分はそんな子どものより所でありたい」そう思っていませんか?この子どもから信頼されたいママの欲求があるからこそすべてを犠牲にするという選択肢を取るのではないでしょうか。そしてその信頼を築くためには帰宅後顔を見る程度の軽い育児では実現しえないのをママが一番よくわかっている、だからこそママは葛藤を抱えながらも子どもを優先しているのだと思います。

発達障害児も成長する

発達障害があっても子どもはぐんぐん成長します。できることがどんどん増えて、たとえ周囲に比べて遅れがあったとしてもその子自身は目を見張るほどの成長を遂げます。療育を受けて学校教育を受けて丁寧に子育てをすれば、勉強もできるようになるし、将来独り立ちすることも夢ではありません。今は気分が落ち込みすぎて明るい未来が想像できなくても、数年後には必ず少しずつ手が離れてきます。支援学級や児童発達支援、デイサービスなどの福祉サービスをうまく使いながら親もまた人とのかかわりの中で自分の人生の再構築を考えられるようになります。

発達障害児がママのキャリアをなくすという思い込み

発達障害児の子育てをしていると確かに学齢期に入るまでは仕事に精を出すのは非常に難しいと言えます。でも、キャリが全部なくなってしまうのもまた違います。たとえ仕事を一旦辞めることになったとしてもキャリアは再開させたり、もう一度新たなキャリアを構築させることもできます。人一倍の努力、労力がかかるかもしれませんが、世界は何倍にも広がります。しかし、子どもとの信頼関係は一度失ってしまうと取り戻すことが非常に難しいです。それこそ何十年もかかっても思うような関係を築けないかもしれません。一旦自分の人生の主役を子どもに譲っても最後に残るのは、子どもとの強い絆、しなやかな自己実現ライフ。それって、とても素晴らしい人生だと思いませんか?

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