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辻村豊

豊富な化学技術知識で研究開発および製造をサポートするプロ

辻村豊(つじむらゆたか) / 技術コンサルタント

合同会社 播羊化学研究所

コラム

現代っ子もアナログ好き?

2024年3月2日

テーマ:研究開発のヒント

コラムカテゴリ:スクール・習い事


皆様方、お世話になっております。日々雑感を綴っております。

LEDが壊れてしまった

少し前に鉄道模型の車両を整備していて、うっかり前照灯を焼いてしまいました。
分解して調べたところ、角型のLEDが専用の治具に収まっていました。壊れる直前にかなり明るく光りましたので、誤って電圧をかけ過ぎたようで、よくあることです。
それにしても、角型LEDは予想外で、こんなものを使ったアイデアには感心しました。これをきっかけに、角型のLED、電灯のスイッチ、ACアダプターなど、意外と広く使われていることにも気付きました。

電子部品店、今や絶滅危惧種!

そこで、大阪市内の電気店街に行って角型LEDを探すことにしました。
ただ、この電子部品店、もはや絶滅危惧種です。
私が中学生のころは、電子部品を購入できる場所は今より遥かに多く、郊外にある最寄り付近の家電量販店の2階にも売り場がありました。そこで抵抗やコンデンサーなどの電子部品に加えて、無線機のこと知識を得たものです。ところが、今や関西でも、電子部品を小売りしているところは、もはやこの電気店街だけで、しかも最近3軒から2軒へと減ってしまいました。
その代わり、通販が主流になって来ているようですが、今回のような場合、通販だと難しかったです。壊れた実物を持参して店のお兄ちゃんに相談したところ、サイズなど現物合わせを勧めてくれました。更に点灯試験も行いました。1個25円と比較的安価だったので、予備も含めて数百円の出費で済みました。通販だと、こうは行かないはずです。

出会いはマイキット

電子部品との出会いは小学生の頃に買ってもらったマイキットでした。
当時でもかなり高価で、何カ月もねだったものでした。
今でも手元にありますので、どういうものか?ご説明致します。
外観です。

蓋を開けると電子部品が詰まっています。

各部品はバネにつながっています。

バネには番号が打ってあります。
そしてバネに電線を挟み込んで部品同士をつなぎます。

いろいろつなぐと…

さて、どうやってつなぐか?ですが、説明書が附属していて、そこに配線の番号が付いていて、その通りにつなげればOKです。

なお、説明書、抜粋ですが、このようなものでした。
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/23/65e2f06ecb47923.pdf

今でも色あせない教材

そんなわけで、小学生の私はこのマイキットに熱中しました。
当然、電子部品にも詳しくなりました。
その後、『トランシーバーとインターホン』、『初歩の製作技術』、『図解ワイヤレス・マイク製作集』などの書籍を参考に、電子工作に挑戦しました。もちろん、電子部品店にも通いました。

特にコイルを自分で巻く作業があったのですが、それがなかなかうまく行かず、結局うんともすんとも言わないトランシーバーを何台も作ってしまいました。
そして、大学受験の時にも電気工学科も志望しましたが、見事に滑りましたので、電気の道へ行くことは断念しました。
しかしながら、電子工作を楽しんだことは現在でも非常に良い経験になっております。
その出発点となったマイキット、はんだごてを使うこともないので安全性も高く、今でも色あせない、非常に優れた教材と思います。

現代っ子もアナログ好き?

半年ほど前に電気系の工作教室を主宰している人と話をすることがありました。
『けいはんなジュニアロボットクラブ』という教室です。
https://robot.konjiki.jp/
今やテレビゲーム、スマホが発達した世の中にもかかわらず、かなりの人気のようです。
全国には類似の教室もあるようです。
下記はその一例ですが…
(姫路科学館・講座と教室)
https://www.city.himeji.lg.jp/atom/kouza/index.html
いわゆるアナログ系の工作教室ですが、決して時代遅れではないと考えます。例えば商船大学の学生はわざわざ帆船に乗って実習しますが、これは『敢えて不便な船に乗ることにより、将来どんな船に乗ることになっても対応できるためだ』と聞いたことがあります。
その一方で、どんなにハイテク化が進んでも『物事には手順がある』ということではないでしょうか?
しからば、小学生にタブレットを貸し出すのも良いとは思いますが、その一方でマイキットのようなアナログ教材を体験するのも重要では?と思います。
マイキットは当時としては高価ではありましたが、タブレットよりはずっと安価ですし、必ずやこの国のものづくりの将来には役立つものだと考えます。
研究開発、製造、教育、行政、いろいろな方々が連携して取り組むべきではなかろうか?と思います。

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辻村豊

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辻村豊(合同会社 播羊化学研究所)

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