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コラム

住宅ローンの相談相手 こんな人のメリット・デメリット

2022年8月2日 公開 / 2023年6月10日更新

テーマ:住宅ローン選び

コラムカテゴリ:お金・保険

以前あったエピソード

今から9年前、2013年のちょうど今頃、ある新築マンションの購入者が集まった場で住宅ローンの相談コーナーがあり、アドバイザーとしてそこに参加した時のことです。
あるお客様が、その場に父親を連れて来ていました。
そのお客様は地方銀行の事前審査に通っていたので、どの金利を選ぶかという話をしていた時です。
当時は、先日亡くなられた安倍元総理が「アベノミクス」を提唱し、株価や長期金利が上昇傾向にあった時期で、住宅ローンの固定金利の上昇が話題になっていた時期でした。
私が固定金利選択型と変動金利と、それぞれのメリット・デメリットを説明しているときに、父親が怒り出しました。
「これから変動金利が上がるのは間違いないのになぜ変動金利の説明なんかするのだ」ということでした。
私は変動金利を推奨していたわけではありませんでしたが、父親は「今の時期に変動金利を選ぶ人なんかいない。固定にしなさい。」とのこと。
私が「それでは全期間固定金利のフラット35を検討してみてはいかがですか?」と言うと父親は「なぜ銀行より金利が高いもの勧めるのだ。話にならない。」と言い、お客様は専門家の私の説明よりも父親の意見に従い、固定金利選択型を選びました。

地方銀行の固定金利選択型は、当初の特約期間中は金利割引幅が大きいのですが、特約期間が終わると金利割引幅が小さくなり、適用金利が上がる可能性が非常に高いという仕組みになっています。
だから当初の特約期間中に一部繰り上げ返済を何度かして、早期に完済する返済計画の人には推奨することがありますが、そうじゃなければ推奨していません。
そのお客様がその後どうなったかは分かりませんが、あの時期から変動金利は全く変わっていないので現時点では結果として損をしている、またはフラット35にした方が良かったのではないかと思います。

このように親のアドバイス(指示)というのは、専門家の私にとって場合によっては厄介に思える時があります。

相談相手が家族の場合

先ほどの話のように、マイホームは大きな買い物であることからか、住宅ローンのことに限らず、ご意見番として親が出てくるケースがたまにあります。
そして逆に、購入者自ら家族に相談するケースもあります。
ただし相談する親や兄弟姉妹が今の住宅ローン事情に詳しければよいのですが、そうではないことが多いようです。
家族は、購入者からすれば気軽に相談をしやすい相手ではあるでしょうが、自分の意見(中には時代遅れの意見も)をズバリと断定的に言われることもあります。
家族の意見も大事でしょうが、それだけにとらわれず他の人のセカンドオピニオンも聞くことをお勧めします。

相談相手が同僚・先輩・友人の場合

お金に関することなので、同僚・先輩、友人は家族よりも相談しにくい相手かもしれません。
ただし気軽に相談できる人がいる場合は、住宅ローンを取り組んで返済することを経験している人に相談することをお勧めします。
そのような人だと、貴重な意見や体験談を聞ける可能性もあるしょう。
もしも相談相手が経験者でなければ、相談されても無難な回答しか出来ないケースが考えられます。
住宅ローンのようにお金に関する相談への回答は責任が重いので、それを避けるのは仕方ないかもしれません。

相談相手が銀行窓口の場合

返済方法やがん団信を付保するかしないかなどの相談においては、最も有効だと思われます。
しかし銀行窓口では当然のことながら自社の住宅ローンのことでしか話をされません。
他行の住宅ローンとの比較について相談しても、客観的な回答は期待出来ません。
また適用金利については、銀行側にとってメリットがあるのは変動金利、リスクがあるのは固定金利です。
金利選択について窓口で話を聞く場合は、その点に注意をして聞くようにしてください。

相談相手が住宅会社の営業担当者の場合

住宅会社の営業担当者の第一の目標は「お客様に住宅を買っていただくこと」
住宅ローンについての話はあくまでも「家を買っていただくための説明事項・手段」
まずはこれを承知しておいてください。
営業担当者の中には、自身で住宅ローンを取り組んで返済経験がある人もいれば、まだマイホームを買ったことがない若い人もいると思います。
相談する内容にもよりますが、その「経験」によって回答が変わることがあると思っておいた方がよいでしょう。

大事なのは相談内容によって相談相手を選ぶこと

このように、住宅ローンのことでの相談相手として適しているのは、相談したい内容によって異なると言えます。
・どこの銀行で取り組むのが良いのか
・固定金利か変動金利か
・団信は通常団信か、それともがん団信や三大疾病団信などの保障まで付けるべきか
・頭金をどこまで準備した方がよいのか
・借入金額や借入期間はどのように決めた方が良いのか
これらは一例ですが、相談内容を頭の中で考えるのではなく、メモにまとめておくなどして相談内容によって相談相手を使い分けた方が、質問に対してより良い回答を得られると言えるでしょう。

最後に

これまで様々なパターンの相談相手について述べてきましたが、私たちのような「住宅ローンの専門家」についてはあえて書きませんでした。
私自身がそれを客観的に述べることは難しいからです。
FPなどの専門家でも
・住宅ローンの実務に関わる仕事をしたことがある人、ない人
・マイホームを持っている人、持っていない人
・住宅ローンを取り組んで返済したことがある人、ない人
様々なのです。
ただし確実に言えることは、専門的な知識を持っていることから様々な角度からアドバイスが出来ること、住宅会社や銀行などに属さない第三者であることから公平な立場でアドバイスを出来るということです。

ちなみに私は、独立前から住宅会社のローン担当者としての実務経験が豊富にあることと、自身でマイホームを2度買っており(買い替えを1度経験済み)、住宅ローンを取り組んで返済をし、途中で借り換えや条件変更(ボーナス返済あり→毎月返済のみ)の手続きも経験していることを、最後に付け加えておきます。

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https://www.fmp-office.jp/

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