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雑誌の原稿 / 復旧と復興 / 建設会社 / 約定弁済、銀行交渉、資金繰り / 経営相談 / 経営コンサルタント

2012年3月17日

コラムカテゴリ:ビジネス

古いネタですが・・・
何かの雑誌の原稿に書いたものです(*^。^*)

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≪ 復旧と復興 ≫
~ 震災後の建設業界 ~

この度の東日本大震災により被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い被災地の復旧と復興、そして街に笑顔が戻ることを、心よりお祈り申し上げます。
被災地の仙台をTMアシストのボランティア活動に参加をして、建設会社の相談を受けたことから、私なりに震災後の建設業界がどうなっていくのかということを予測し、どんな準備や対応が必要なのかを記述させていただきます。

1995年の阪神淡路大震災の時には・・・
・95年の兵庫県では、災害復旧貸付制度や返済猶予などの緊急支援策により、倒産件数は抑制されたが、96年(前年比13%増)、97年(前年比25%増)と増加し、全国平均を上回る結果となった。
・業種的に復興特需が期待された建設業ですら、96年(前年比29%増)、97年(前年比78%増)と、震災の翌年から大幅に倒産件数が増加するという結果となった。

どうしてこのような状況が起きたのか?
・震災以前から経営内容が悪化していた企業体力がない建設業者が、工事件数の増加や売上げの増加にもかかわらず、資金コントロール(資金繰り)ができないために立て替え金や入金遅れが発生し、運転資金融資も受けられず、倒産する結果となった。
・市場単価の著しい上昇により、外注費や労務費や材料費などが大幅に上昇し、利益率が大幅に減少したり赤字工事が増加する結果となった。
・もともと支払い条件や取引条件の悪い元請け業者が、市場の大幅な工事量の増加により、支払先から選別されるような事態が発生した。

復旧工事と復興事業の違い。
・今回の災害復旧工事は激震災害と呼ばれる種類のものであり、5年間以内に災害の復旧工事を終了させることが予算上の大前提であり、3年間で80%の工事を発注しなければならない。(地元の建設業者が受注の中心であり、工事の諸経費率も高く設計変更がないので、利益率が高い工事が受注できる。)
・復興事業とは、街の再開発から計画をされるものであり、事業規模は大きいが早くても
 2~3年後からの発注となることが多い。(大手ゼネコンなどが参入してくる大型工事が多く、工事の諸経費率が低い上に下請けでの受注になるケースが多く、地元の建設業者にとっては仕事はあるが利益は非常に薄いという状況になってしまう。)

 阪神淡路大震災の時には、少なくとも今のような厳しいデフレ経済下ではなかった。
その当時でさえ、このような震災後の被災地の倒産状況があったのである。
 東日本大震災の被災地の中小企業や建設業界にも、阪神淡路大震災後と同じような状
況が起きることが少なからず予測される。

 被災地以外では、昨年度と今年度で公共事業費は30%以上削減される予定である。地
方の公共事業中心の建設会社に与える受注減の影響は非常に大きいと思われる。国会の空
転も重なり、未だに地方自治体の発注は本格的に開始されていない。このままであれば工
事発注が本格的に発注されるのは秋以降になり、それまでの工事が確保できていない建設
会社は資金繰りに窮することになり、運転資金融資が金融機関から受けられない建設業者
は倒産という事態が発生してしまうであろう。

 このような倒産という事態が被災地や被災地以外の中小建設会社に起きないためには、
決算書を分析して比率や係数を計算するだけの机上の空論コンサルタントではなく、現場
での再生実務の経験が豊富な専門家が時流を読んで未来を予測して経営問題の解決をして
いかなければならないことが期待されている。

 今回のTMアシストの無料経営相談会では全国各地から再生業務の経験が豊富なSRC
メンバーの先生方が集まっており、被災地の中小企業の経営の道標になることはもとより、
会員相互の情報交換や人脈形成にも役立つ活動になると思われます。
是非、皆さんも一度参加をしてみてください。


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SRC,TMA,TMアシスト、まだまだ活動は続いています。

この春からが・・・
本当の意味での大切な活動です。

この記事を書いたプロ

網師本大地

現場第一主義を貫く中小企業再生のプロ

網師本大地(DSKプランニング)

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