セミオーダー住宅⑥～設計の打ち合わせは営業
私は、日本の住宅メーカーは全てセミオーダーだと思っていたので、営業がセミオーダーと説明する事に不思議な感じがしました。私がセミオーダーしかないと思っていた理由は、20年ほど前に買った雑誌の記事からでした。
もう休刊になりましたが、亡くなったコラムニスト山本夏彦氏が創刊した「室内」という雑誌がありました。その雑誌の2001年11月号の記事に「だあれも設計していない」というコラムがあり、その中に住宅メーカーの設計部はほんとうの意味で「住宅の設計」したことはない、コンピューターから抽出しているだけと書かれていました。
つまり、土地の形や家族構成などの基本情報を入力すれば、コンピューターがデータの中にある図を印刷する、設計者が一から作っていないということでした。
当時はメーカーのことなどほとんど知りませんでしたが、メーカーが「自由設計」といった宣伝文句はウソなのだと知りました。
※当時はフルオーダーといった言葉はなく、自由設計といわれていました。
フルオーダーとは規格寸法のない、なにも書いていない紙にプランを描くということですから、工場で規格寸法の部品を作るメーカーにできないと思われます。
初めて相談者の文章を読んだとき、メーカーの注文住宅はもともとフルーオーダーはできないのだから、セミオーダーとなぜわざわざ言ったのか分かりませんでした。
メーカーが相談者にどのように説明したか知りませんが、本当は「メーカーなので規格寸法があるため、すでにあるプランを変更することしかできません」と説明するべきだと思います。
次回は、『セミオーダー住宅⑨～あいまいなセミオーダーは業者が得 』です。
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