大きな屋根の家①~業者Aとの会話その1
前回の会話の水平構面とは、簡単に書くと床のことです。下の図のように家は下から基礎、1階床、1階壁、2階床、2階壁、小屋組み、屋根となっています。この中で水平構面とは、1階床、2階床、小屋組み(又は屋根)のことです。
地震が起きると屋根が揺れ、その揺れを2階の耐力壁で支えると考えるのですが、耐力壁がバラバラでは揺れに対抗できません。小屋組みと2階の床がしっかりしていないと耐力壁の力を十分に発揮できないのです。もしも2階の床や小屋組みに強度がないと下の図のようになってしまいます。耐力壁は協力して耐えることができませんから、耐力壁の量は足りていても地震に耐えられないかもしれません。
会話に出てきた家は小屋組みが段々になっているため、そもそも水平構面がつながっていません。耐力壁の高さも違うため、地震時の横揺れにどのように力が伝わるのか、分からないのです。
このような家なら、筋交いなしで貫を通した壁に土壁を塗った方がいいかもしれません。いわゆる伝統工法です。京都のお寺などで台所になっていた場所は排気のため天井がなく小屋組みがそのまま見えていることが多いですが、その小屋組みは梁を何段も掛け、束に貫を通してくさびで固定して大きな屋根を何百年と支えています。貫で支えた方がいいのでは思うのです。
次回は、『大きな屋根の家⑬~業者Aとの会話その6 』です。
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