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材種は何でもいいのか⑬~昔の家は床下の風が抜けていた

鈴木敏広

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テーマ:材料について

昔の日本の木造住宅には縁の下と呼ぶ場所がありました。一階の床下のことで、現在のようにコンクリートで基礎を作っていませんでした。柱が土の上に据えられた石の上に載っているだけでした。

風通しはメチャクチャ良いため、夏は涼しいのですが冬は寒いため畳を敷いて生活していました。現在は違いますが畳も藁で出来ていましたから、湿度の調整をします。木材も湿度調整し、床下も土のため湿度を調整しました。湿度が多ければ吸湿し乾燥して放湿しました。シロアリや菌類が住みにくい環境だったのです。それに加えて、被害に遭わないように樹種を選んでいました。

2017年のコラムに「聴竹居」の事を書きました。聴竹居が建てられた当時のまま、90年間ほとんど変わっていません。その理由は風を通し、材料が傷まないように様々な工夫をしたことと、使用された構造材の樹種は分かりませんが、耐久性のある材料を使用していたからだと思います。

現代の木造住宅は、床下の風通しが悪い住宅を作っているのに、最も材種にこだわりがない建物ばかりが作られていると思います。


材種は⑬

次回は、『「瑕疵保険延長の制度」から思ったこと① 』です。


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鈴木敏広(一級建築士)

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木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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