家の老化③~土壁の厚み
⑥~⑩に現在の家の材料を②~⑤までに昔の材料のことを書きました。決定的に違うことは、昔の材料は土も木も元々は水を含んでいて乾燥した材料です。ですから、建築材料として使われても、水(空気中の水蒸気)に対しても抵抗しないで共存できます。
木も土も湿度が高いときには空気中の水蒸気を吸湿し、湿度が下がれば放湿できます。ひどい雨漏りなどで大量の水に浸かったり、継続的に水に侵され乾く時間がない限り、⑨に書いた合板やボードのように水は天敵ではないのです。
湿っても放湿して乾けば元通り、性能も大きさも変わりません。コラム「調湿⑭」に書いたように木も土も吸放湿を繰り返しても、材料が傷まないのです。
それに比べ、合板、石膏ボード、窯業系サイディングには調湿能力はありません。水蒸気が浸み込み始める、材料の中心まで湿ってしまうと浸み込んだ水分はなかなか抜けません。乾く時は表面から徐々に乾燥するため、中心部分は容易に乾かないのです。
家に限らずどんなものも一度に全体が傷むことはありません。各部材が傷むことが積み重なって全体が傷みます。ここまでは内装外装材に付いて書いてきましたが、内外装材が傷むとその次は構造材が傷みます。
次回は、『家の老化⑫~下地材が傷む』です。
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