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家の老化③~土壁の厚み

鈴木敏広

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テーマ:家の老化

前回の続きです。
上塗りが乾くまで他の工事はできません。プラスチックのコンセントのプレートのような簡単なモノでも付けられません。もしも、乾く前に触って跡が付けばまた塗り直しになります。

だから、敬遠されるようになりました。
住宅メーカーなどは新築工事が早くできることを宣伝の一つにしています。時間がかからない、家を早く造ることが良いことのようになったのです。時間がかかる問う理由だけではないかもしれませんが、日本にずっと続いていた塗りの工事はどんどん減ってしまいました。

②に書いたように日本の土壁はただ土を塗るのではありません。厚く塗れば三層に分けるようなことはしなくてもいいと思うのですが、日本では②に書いたように手間と時間をかけて、薄く作るのが日本の土壁です。柱の大きさが4寸角(約12㎝角)の大きさの場合、壁の厚みは7~8㎝ぐらい、柱の幅の6割ぐらいの厚みです。

家の老化③

このような壁を「真壁」と言います(柱が見えない壁を大壁といいます)。

土で壁を作るためにはもっと厚い方が作りやすいはずです。土を薄く塗り隙間がないようにするにはそれなりの技術が必要で修業しないと無理で、日本の土壁が薄いのはそれなりに理由があると思われます。

次回は、『家の老化④~真壁』です。

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鈴木敏広(一級建築士)

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木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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