熊本地震で分かったこと⑩~築10年以内で倒壊した原因は直下率が低い
5章で書いたように、壁の量が多いほど被害が少ないことは間違いないことだと考えられます。ところが、耐震等級2でも倒壊した家があったことから、ただ壁を増やしても意味がなく、力の流れを考えなければ壁を増やしても効果が少ないこともわかりました。
また、N値計算の欠点も明らかになりました。1階の柱の上に2階の柱がない(直下率が低い)場合、計算結果は低くなり、使用する金物の強度も低くなって、地震に不利になります。(計算しないといけない)平面図での耐力壁のバランスを考えるだけで上下のつながり(直下率)を考えていなければ、せっかく配置した耐力壁の効果も少ないことになります。
例えば直下率を考えた耐震等級2の建物と考えていない耐震等級2の建物が同じ地震があった場合、当然、直下率を考えた耐震等級2の方は被害が少なくなりますが、耐震計算をパソコンで計算しているだけでは、その差はでません。計算では等級2だからです。
パソコンは与えられたデータを、決められた方法で計算しているだけ、データを入力するのは人だということは忘れてはならないのです。計算する前に設計者の計画が大事だということになります。
直下率がTVで取り上げられたことは、良かったと思いまが、法改正は無いようなので忘れられてしまわないかと考えてしまします。
最後に、ブログで何回も書いていますが、今回も倒壊しない、被害の少ない家の調査をしないのでしょうか?築年数が新しくても被害が出ている家もあり、古くても被害が少ない家もありますから調査する絶好の機会だと思うのですが…。
次回は、 瑕疵保険(かしほけん)はどうなった?①~週刊文春3月23日号の記事 です。
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