熊本地震で分かったこと⑩~築10年以内で倒壊した原因は直下率が低い
耐力壁の耐力は壁の強さと壁の長さで決まり、耐力壁の大きさの基本は水平方向の長さを1とすると垂直の長さは3の比です。普通の住宅の高さは各階約3mでほぼ一定ですが、巾は壁の長さで変わるため筋交いの勾配は変わってしまいます。勾配が変わると筋交いの強度が違います(下図参照)。
耐力壁の計算は壁倍率×長さです。たとえば、3尺(約91センチ)の長さの耐力壁が2倍の長さになればその量も2倍になります。面材の場合はこれで問題ないのですが、筋交いは上記のように角度によって強度が違うので、本当は単純に足し算しても計算通りにならないのです。
面材の耐力壁の被害が少ないのは、面で受けることと圧縮も引張りも方向性がないため強度が変わらないことだと思います。つまり、計算通りの力になります。③に書いたように筋交いを使用する場合、必ずXに入れて同じ耐力になるように配置しないと、計算上はOKでも実際は違うことになります。
国は、法律改正しない方針ですが、専門家からも実際の強度よりも低い強度で計算するならその分は余裕になりますが、実際は足らないのにあるように計算していてはおかしいと思います。
次回は、熊本地震で分かったこと⑤~等級3は被害なし です。
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