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坪単価について⑩~メートルモジュールを使う

鈴木敏広

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テーマ:見積り

この方法を説明する前に、モジュールについて説明します。モジュールとは、建築物の基準となる長さの事です。

メートルモジュールとは、1mを基準にして家を設計、工事することで、日本で昔から使われている尺モジュールは(1mに対して)3尺(約0.91m)を基準にします。①で説明したように1坪は尺モジュールの6尺×6尺(メートルに直すと1.82m×1.82m=3.3㎡)の面積ですから、同じように考えればメートルモジュールですと2m×2m=4㎡が基準となります(下図参照)。

坪単価10

したがってモジュールの考え方からすると尺モジュールで建てる場合は坪で、メートルモジュールで建てる場合は4㎡を基準に面積を計算するのが当然ですが、なぜかメートルモジュールを採用している業者は、4㎡ではなく坪で金額を表示します。

坪単価が昔から使われているため、面積を坪で表した方がわかりやすいからと思われるか知れませんが、売る側にとってメートルモジュールの家を坪単価で表示した方が得だからそうしているのです。

どうして得するのかは次回から掲載しますが、今回はメートルモジュールを採用している業者のおかしな宣伝の話です。そのおかしな宣伝とは
「メートルモジュールの方が面積は約2割広い」
という宣伝です。下の絵のような一つの部屋を見せてこれだけ大きくなると宣伝しているのです。

坪単価10-2

2割面積が大きければ工事費用は増えるのです。増えた2割分の費用をちゃんと請求するのに部屋が大きいから得だという理解しがたい宣伝をするのです。メートルモジュールを採用している業者の本にこのことが出ていたのを読んだ時に、何を言っているのか理解できませんでしたが、実は、次回に書くようにメートルモジュールを採用して部屋が2割広くなり得するのは業者なのです。

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専門家

鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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