集成材の疑問⑫~失われた木材の良さ
今回から私が疑問に思っていること、つまり、本論です。
どんなものでも、良いところと悪いところがあると思っています。集成材の良いところ、無垢材の良いところを比べてどちらが良いのか、もちろん材料としての性能もありますが、①の最後に書いたように「住む人(消費者)にとってどちらが良いのか」が一番問題だと思います。
今回は、集成材の強度についてです。
集成材は木を切断しているため一片一片の木材強度だけでは期待できません。では集成材の強度は何によっているのでしょうか?
それは接着剤です。強度がある樹種の木材を使えば強度のある集成材を作ることができますが、分離したら意味がありませんので、強度は接着剤次第といえます。
接着剤は簡単にはがれないと言われていますが、構造材を集成材で家を建てるようになってから、15~20年程しか経っていないため証拠はありません。実績がない以上、分らないのです。
住宅は、他のモノと違い使用期間が非常に長いモノです。せめて、50年以上経たないと集成材が住宅の構造材として使えるのか分らないのではと私は考えています。
木材の寿命が50年ばかりでないことは、歴史が説明しています。法隆寺のように特別な建物でなくても、神戸の箱木家のように室町初期の600年前に建てられた民家が1980年代まで使われていた(ダムの建設で移築)実績があるからです。
集成材で建てられた家が何十年か経った時(その間に地震や台風に遭うと思いますが)、見た目は接着層のはがれなどなくても建てた時の(接着剤の)強度は保たれているのでしょうか。
構造材とは出来た時の強度を何十年も保ってこそ認められるのです。
次回は「集成材の疑問⑦~余談 下限5%について」です
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