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安達昌人

POP広告の実習指導が好評の商業コンサルタント

安達昌人(あだちまさと) / 商品企画

東京販促実践研究所

コラム

パソコン(ワード)でPOP&チラシを作成しましょう

2018年4月11日 公開 / 2020年7月10日更新

コラムカテゴリ:ビジネス

POP&チラシをWindowsのワード・エクセルで作ります

パソコンでPOP広告やチラシを作りたい。そんな時は、特別のグラフィックデザインソフトがなくても、Windowsのオフイス2016のワード・エクセルで効果高いPOP広告やチラシが作成できます。
ここでは、Microsoftのワード2016(Windows10)でPOP&チラシ広告を作成してみましょう。(2010、20013のワードやエクセル、またパワーポイントでも、操作はやや異なりますが、同様に作成できます。)なお、この稿では、「→」はクリックの記号とします。

Word(ワード)を起動します

Windowsの画面下のタスクバーに表示されているWord2016→、またはスタートボタン→すべてのアプリ→左側のアプリ一覧からWord2016→、画面が表示されます。新規作成の場合は「白紙の画面」→文書作成画面が開きます。
画面の上部に、Word2016(Windows10)のリボンが表示されます。
POPやチラシでよく使用する「メニューバー」の「タブ」は「ホーム」「挿入」「レイアウト」「表示」など。図形やテキストボックスを使う場合には「書式」が表示され、指定や変形などさまざまな操作が出来ます。メニューバーの下の「コマンド」(ツールバー)には、さまざまな作業を指示するボタンが並びます。



「ワードアート」で文字を作成~タイトルや品名などによく使われ


メニューバーの「挿入」→「テキスト」グループの「ワードアートの挿入」→、プルダウンメニューの「ワードアートギャラリー」の、ここでは仮に3段目の左から3番目のパターンを選択します。



「ワードアート」でタイトル文字づくり

表示された「ここに文字を入力」ダイアログボックスにタイトル文字を入力《入力した文字を消去する場合は「delete」、「Backspace」キーで》。「ホーム」で「フォント」「フォントサイズ」を設定。ここでは仮に「HGP創英角ポップ体」、36ptに指定。
「ホーム」の「フォント」グループの「太字」、「斜体」、「フォントの色」などで文字が調整でき、「段落」グル-プの「拡張書式」→「文字の拡大/縮小」で語句の幅(%)が変えられます。その他、「文字の効果と体裁」、「蛍光ペンの色」など、「ツールバー」の各機能が活かせます。
★注:「文字入力書式」と「描画ツール書式」=文字入力は枠線が点線になってカーソルが点滅しています。線上をクリックすると、枠線が実線の描画の書式に変わり、フォントや色など指定が簡単にできます。



「ワードアート」の文字をさまざまに変化させます


メニューバーの「書式」タブ→「図形のスタイル」グループの「図形の塗りつぶし」で「塗りつぶしの色」「図」「グラデーション」「テクスチャ」など、「図形の枠線」で「線の色」「太さ」「線・点線」など、「図形の効果」で「影」、「反射」、「光彩」、「面取り」、「3-D回転」、「変形」などにより、タイトル文字のデザインが自由自在に作れます。
また「ワードアートのスタイル」グループの「文字の塗りつぶし」や「文字の輪郭」でも、同じ操作で、入力したタイトル文字の色や線のスタイルが変えられます。



テキストボックス」で文字を入力します

メニューバーの「挿入」→「テキスト」グループの「テキストボックス」→「横書きテキストボックスの描画」→(「テキストボックス」は「図形」の「基本図形」からも選べます)。ウインドウ上にマウスをドラッグして出来た「テキストボックス」に文字を入力します。
「書式」の「ホーム」の「フォント」グループの「フォント」「フォントサイズ」で好みの書体が作れます。「フォントの色」の▼→「テーマの色」「標準の色」「その他の色」「グラデーション」などを活かして、さまざまな書体が作れます。




「図形」を活かします

メニューバーの「挿入」→「図形」→プルダウンメニューのいずれかの図形を選択し、ウインドウ画面にドラッグして図形を描きます。例えば「正方形/長方形」を選択し、画面でドラッグして四角形を作成。また〔Shift〕キーを押しながらドラッグすれば正方形が描けます(同じ操作で「円/楕円」は正円に)。上下左右の□と四隅の○のハンドル(両端の矢印)のドラッグで好みの形・大きさに変えられ、上部の「回転ハンドル」で図形が回転できます。図形には「基本図形」から「星とリボン」「吹き出し」など各種が揃っていて便利です。
さらに「書式」→「図形の塗りつぶし」「図形の枠線」「図形の変更」を活かして、色、枠線、影、文字入力、3D効果、図形の組み合わせ、写真活用などが自由自在にできます
★注:挿入した図やクリップアートを自由に移動するには~初期設定では「文字列の折り返し」は「行内」が選択されています。「行内」以外の「四角」~「前面」を選択すれば画面を自由に動かせます。また、メニューバーの「ファイル」タブ→「オプション」→画面左側の「詳細設定」→「切り取り、コピー、貼り付け」欄から「図を挿入/貼り付ける形式」の右の▼→リストボックスの「前面」を選択して「OK」→。以上の設定で、常に「前面」が選ばれ、移動が自由で、チラシ・POPの作成には便利です。



《応用編》「図形」を活かしてイラストを作成します

秋の花のコスモスを作ってみましょう。花びらは「円/楕円」に「二等辺三角形」を組み合わせて作成。花びらの色は、桃色の濃淡のグラデーション。花のシベは「星とリボン」の「星32」→〔Shift〕キーを押しながらドラッグして正円形を作成。シベの色は黄色。花びらを8枚複製して、シベの周りに配列。葉は「基本図形」の「月」で作成。全体の形を整えた後、「グループ化」して完成。
★注:こうした「図形」を組み合わせる方法の活用で、オリジナル・イラストが、いろいろと作成できます。



《覚えて便利》「図形」に必要な操作いろいろ


①複数の図形を選択するには、〔Ctrl〕キーを押しながら一つずつ図形を→複数選択できます。
②図形を複製する場合には、〔Ctrl〕キーを押しながらドラッグ。〔Shift〕キーを同時に押せば、水平・垂直に複製。「ホーム」の「コピー」→と「貼り付け」→で好きな数だけ複製できます。
③複数の図形を一つの図形とする場合、それぞれの図形を複数選択し、「レイアウト」または「書式」タブの「配置」グループの「グループ化」→「グループ化」→で一体化されます。右クリックして、ショートカットメニューより「グループ化」→「グループ化」もできます。元の図形に戻す場合には、「グループ化」→「グループ解除」→解除されます。
④複数の図形が重なった場合、あとから描いたものが上に配置されます。あとの図形を選択し、「書式」タブ→「配置」の「前面へ移動」の「最前面へ移動」→前面へ移動。同じ方法で、最初の図形を「最背面へ移動」できます。重なった図形は〔Tab〕キーで順次選択でき、キーボードの矢印で移動できます。また〔Shift〕+F10で、右クリックメニューが表示できます。
⑤図形を縮小する場合には〔Shift〕キーを押しながら角のハンドルをドラッグすれば、そのままの形で縮小できます。「配置」グループの「回転」ボタンでは「左右反転」その他の回転の操作ができます。「サイズ」グループの「トリミング」では不要な部分がカット出来ます。
★注:画面キャプチャー=キーボードの右上の「プリントスクリーンキー」〔PrtScr〕→で画面全体が保存できます(機種によっては〔Fn〕キーを同時に押して使用)。画面の一部や、図・写真を切り抜く場合には、Office2016に「スニッピングツール」という画面キャプチャソフトが便利です。スタート→すべてのプログラム→Windowsアクセサリの中にあり、タスクバーなどに表示しておくと良いでしょう。

オンライン画像(クリップアート)、図(写真)も活かせます

①メニューバーの「挿入」→「オンライン画像」→右側に開かれたウインドウの「Bing窓」に文字(例えば、バラなど)を入力し「検索ボタン」を→図(または写真)が表示されます。その一つを選択し、下段の「挿入」すれば画面に挿入されます。また「Bing窓」下段の「サイズ」「種類」「カラー」などのボタンによって多種類のクリップアートが探せます。
画面に挿入されたクリップの周囲の○のハンドルにより、好みの大きさ・形に変えられ、クリップの上にポインタを置くと十字の矢印になり、自由に移動できます
また「図」を右クリックし「図の初期設定」の「影」「反射」「光彩」「ぼかし」などでイメージを変えたり、さまざまに変形できます。
②写真を活かす場合は、「挿入」→「画像」→「ピクチャライブラリー」の必要な写真を選び「挿入」→画面に挿入されます。図(写真)を選択(クリック)し、リボンの「図ツール 書式」→「配置」の「文字の折り返し」→プルダウンメニューの「行内」以外のボタン(ここでは「前面」)→図が自由に動かせ、周りのハンドルで大きさが変えられます
リボンの「調整」グループの「修整」「色」などのボタンで、写真の表現がさまざまに変化。「アート効果」では任意の効果を選んで→マーカー風、スケッチ風などの表現が工夫できます。また、「図のスタイル」「図のスタイル」などで、枠取り、影付き、ぼかしなど、写真が加工できます。



POP広告作成の2大留意点(レイアウト&カラーのポイント)

POP広告にとって最も重要なのは、そこに訴える情報内容(訴求商品やフェア企画、その特性と活かし方、広告文案など)ですが、ここでは視覚効果(デザイン性)についてのみ触れておきます。視覚効果では、レイアウトとカラー(色遣い)が重要なポイントです。

●レイアウトのポイントは、見る人に、見やすく読みやすく配慮することです。
①情報内容を詰め込み過ぎず、空き過ぎずに、紙面サイズに合わせて整理します。
②周囲や行間に余白(ホワイトスペース)を取り、余裕ある配列とします。
③書体などに大小・強弱のコントラストを付け、メリハリのある画面とします。
④見る人の視線の流れを計算します。(例えばヨコ型は、左上から右下にジグザグ型に)。
⑤左右上下に均衡(バランス)の取れた安定した構成とします。

●カラーのポイントは、見る人の感性に快適に訴えることです。
①色には、例えば赤は情熱・活気、ピンクは優しさ・ロマン、黄緑は新鮮・憩い、青は涼感・沈静など特有の感情を有します。そうした色の組み合わせ(カラーコーディネイト)により、訴える事項のイメージ、季節感、販促テーマなどが表現できます。
②といって、夏は涼感の青色系だけでまとめると、訴求力が弱まります。例えば夏の「氷」の暖簾は、青い波、緑の千鳥の絵柄に「氷」の赤文字がお客を惹きつけています。
③赤や橙などの「暖色」は前進・拡大の要素とともに、味覚を刺激するために食品関係によく使われます。青や青緑の「寒色」はその逆で、メカニック系に使われる例があります。商品特性に応じて、ふさわしい色遣いを選ばれます。
④POP広告の色遣いは、一般的に色数を抑え、「主色」「副色」「補助色(アクセントカラー)」でまとめると良いでしょう。ただし、赤とピンク、青と水色は明度の異なる同色で、一色と考えると色数は広がります。また写真などを活かせば、豊富な色彩感覚となるでしょう。
★注:事例の「真あじ」は鮮度の良さをアピール、「血圧計」は初秋の爽やかな季節感を表現。手描きと違って、パソコンはカラーや書体を即座に変更できる容易さがメリットです。



パソコン(ワード)POP広告作成の便利な機能

ワード(エクセル、パワーポイントも)には、図形操作の便利な機能がいろいろと備わっていますが、例えば「ページ罫線」もその一つです。
①メニューバーの「レイアウト」タブ→「ページ設定」グループの「印刷の向き」→プルダウンメニューの「縦」または「横」に設定(作成するPOP広告に合わせて)。
③「余白」→「狭い」→。あるいは「ページ設定」右端の矢印マーク→表示されたダイアログボックスで「余白」の上下左右の数値を小さく設定します(この操作は省略してもかまいませんが、「ページ罫線」で画面を囲む場合の目安とします)。
④「デザイン」タブ→「ページの背景」グループの「ページ罫線」→表示された「線種とページ罫線と網掛けの設定」ダイアログボックスの「囲む」→「種類」「色」「線の太さ」「絵柄」を選定して「OK」→。ここでは「絵柄」のハートを選んでバレンタインでーのPOP台紙に縁取りしています。



パソコン(ワード)POP広告の事例いろいろ

ワード作成のPOP広告の紹介です。イラスト・デザインを活かして、注目性高く、楽しく訴えてみました。このPOP広告のイラストは、すべて図形の組み合わせによる自家製です。

季節編=新年~早春



季節編=春~初夏



季節編=初夏~盛夏

注:左上のカニは、パソコン作成の台紙に折り紙で作ったカニを貼り付けています。


季節編=初秋~晩秋



季節編=クリスマス~歳末



業種編=理容、園芸、文具、食品、家電など



パソコンでチラシ広告を作成してみましょう

《チラシ広告の構成要素とは》
①タイトル(フェア名、商品名など)
②サブタイトル(サブキャッチ~タイトルを補助するコピー)
③期日(フェア・セールの場合には)
④重点商品(このチラシで特に推奨する季節商品、新商品など、目玉商品コーナー)
⑤その他の商品コーナー(その他の定番商品、関連品など)
⑥魅力企画(集客に結びつくイベント、役立つ情報、景品、クーポンなど)
⑦メッセージ(店からの、また店長からのセールの方針表明、その他新商品情報など)
⑧デザイン効果(アイキャッチャー=季節また商品のイラスト、その他の図柄)
⑨店舗情報(店名、住所、電話番号、地図、ホームページなど)
⑩裏面の活用(表面に掲載以外の商品、商品の活用ヒント、お客の声、乗り物時刻表など)


小売業のチラシ例

スーパー、米店、寝具店、洋菓子店、和菓子店など(サイズはB4判、A4判)
下段の手配り小型チラシには、経営者・販売員の写真・似顔絵入りが効果的。顔の表示で、親愛感とともに責任感をアピール


商店街のチラシ例(ハロウィンフェスタ)

左側のジャコランタン(かぼちゃ)とコウモリはワードの図形作成。右側のイラストは、地域の男の子の描いたスケッチに、墨入れ・彩色して活用(サイズはB4判)

この記事を書いたプロ

安達昌人

POP広告の実習指導が好評の商業コンサルタント

安達昌人(東京販促実践研究所)

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