コラム
なぜ養子縁組をしないのか?
2023年7月26日
Q .養子縁組は節税になると聞きました。私としては養子縁組をしたいと考えていますが、周りで養子縁組をしているという話を聞いたことがありません。何か落とし穴があるのでしょうか?
A .落とし穴はありませんが、養子縁組は節税というメリットがあるほか、デメリットもあるので実行には注意が必要です。
養子縁組は相続税対策となります。
孫や子どもの配偶者を養子にすることで相続人の数を増やすことができるからです。
そもそも相続税は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される基礎控除額を超過する人が申告をすべきものです。
養子縁組により基礎控除額が増えるため相続税対策になります。
ただし、10人養子にしたからといった10人分の控除が増えるわけではありません。
実子がいる人は何人養子がいたとしても1人まで、実子がいない人は2人までしか計算上の法定相続人の数を増やすことが出来ません。
さてデメリットですが、養子にも相続する権利が発生するということです。
養子は法律上、子どもの立場を得ることになりますので、財産を相続する権利があります。
養子にした人が思いの外、財産を多く相続したいなどといった権利を主張した場合には揉め事になりかねません。
これらの点を踏まえると、相続税対策のためだけに養子縁組をするのは危険ということです。
誰を養子にするのか、養子にした人にはどのような財産を配分するのかなどを考えながら養子縁組をする必要があるということです。
養子縁組によって相続税は減ったけど、権利関係で揉めてしまったとならないようにしましょう。
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