相続を争続にしない。遺言作りを丁寧にサポート（1/3）

相続のトラブルに裕福さは関係ない

　遺産相続と聞くと、裕福な人たちの問題と考えがちですが、実態はそうではありません。家庭裁判所で争われた遺産のトラブルは、遺産額5000万円以下という人たちが約78%です。

　遺産に関わるトラブルは、自分達には関係ないと思っていても、実は身近な存在と言えます。そんなトラブルを防ぐには、遺言が大事というのは多くの人がわかるでしょう。でも、遺言を作るタイミングって難しいですよね。「コロナ禍で遺言の相談が増えた」と言うのは、willingwork株式会社の代表である守田直樹（もりた　なおき）さんです。守田さんは、独立前は浜松磐田信用金庫やみずほ信託銀行で、相続の相談や遺言の作成に約10年関わってきたプロフェッショナルです。そんな守田さんですが、さまざまな相続の現場に立会い、相続が「争続」になる瞬間を数多く見てきたといいます。

　「遺産で家族関係が壊れてしまうケースはよくあります」と守田さん。
　「お父さん、お母さん、同居している長女、東京に行った長男の4人家族のケースでは、うちは家族全員仲がいいから遺言はいらないと言われていました。でもお父さんが亡くなったときに、長男がもう少し欲しいとなり、長女と争ったケースがありました」
　これはあくまでも一つのケースですが、父親が存命のころは、長男も欲しいと言い出しづらかったのではと推測されます。現在の家庭関係を優先すれば、遺産がもっと欲しいと言い辛い気持ちもわかりますよね。このように、相続は、思っている以上に身近な問題です。

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