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長島武

証券マン歴38年の独立系FP、CFP資格も持つ資産運用のプロ

長島武(ながしまたけし) / ファイナンシャル・プランナー

長島FP事務所

コラム

日銀のマイナス金利解除と為替動向 見方の一つ

2024年3月17日

コラムカテゴリ:お金・保険

3月17日の日経新聞
「日銀、マイナス金利解除へ」
「国債買い入れ継続」の記事がでていました。
米国は、2022年3月から金利を上げ(0,25⇨0.5)始めて、欧州では、2022年7月から金利を上げ(0⇨0.5)ています。日本だけ1周遅れどころか、2周、いや3周、遅れていますね。
為替との関係を考えてみます。昨年からですが、日銀がマイナス金利を解除するのではと観測流れると円高にぶれています。日米金利差、縮小するからと言われていますが、海外投資家は、日銀がマイナス金利を解除した後も継続して欧米並みに金利を上げていくと見ているのでしょう。
中には、低金利の円を調達(借入れ)して、ドルに換え(円売り)米国市場で運用することもできますね。低金利の円だからできていましたが、金利が上がってくるとコスト高になりますから、ドルの運用を解約して円に戻す(円買い)取引も出てくるのでしょう。
日経新聞2月7日の記事です。
日経新聞2月7日記事:追加利上げ記事
しかし、国内の一部エコノミストの間では、継続的に上げる事はありえないと見ています。
日経記事2024年3月5日 当座預金付利金利
日銀に預けている当座預金の一部につけている付利金利(日銀が支払う利息)0.5%で2.5兆円、1%で5兆円と言われています。保有している国債の評価損は2023年末で10兆円、金利が上がると保有国債の単価は下がり、評価損は拡大しますね。其の上で、前にも書きましたが、10年の国債の平均受け取る利子は、約0.65%(固定ですから、金利があがると新しく発行する国債の支払う利息だけ高くなり、受け取る利息は、ほとんど変わらない)、日銀の含み益は、4兆円ですから、恐ろしい状況なんです。海外投資家が2月7日時点と同じに考えている(連続利上げを日銀もする)なら、来週は、円高に向かうと思いますね。もし、日銀の置かれている状況から連続利上げは無理、マイナスから0で終わりと見る海外投資家は多ければ、一気に152円を超える事もあり得ると思いますね。どちらにしろ、タイミングの問題で私個人的には、ドル資産を増やしておくべきだと思っていますね。どのタイミングがベストかわからないときは、時価の分散ですね。何回かに分けてドル資産を増やしていくのも資産運用の一つだと思いますね。

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