音の本質
どうしたらきれいな声が出せますか?
よくこのようなご質問をいただきますので、すこしお話してみようと思います。
「きれいな声が出せないな」っていう思いは、たくさんの方が持っている悩みだと思います。
「きれいな声」と言っても人によって感じ方は様々だと思いますが、「雑音の混ざらない透明感のある声」が誰が聴いても「きれい」って感じる声になるでしょうか。
「雑音が混ざった声」だと周りの方が聞きとりにくいし、自分も思うようにしゃべったり歌ったりできない感じがして気持ちがすっきりしないですよね。何とか直したいって思ってる方はたくさんいらっしゃると思います。
どうして雑音が出てしまうのでしょうか。
雑音の原因は「息のコントロール」
「息のコントロール」がうまくいかなくて、息のスピードが速すぎたり、量が多すぎたりすると、息もれするシャーシャーした声になってしまったり、ガラガラしたしゃがれ声になってしまいます。
「声帯」は気管の中にある1~2センチくらいの「小さな薄い膜」なので、発声に必要な息の量は多くはいらないんですね。
ちょっとでも息の量が多すぎると、声帯がバタバタと震えすぎたり隙間ができたりして雑音が発生してしまいます。声帯に傷がついてトラブルになってしまうこともあるので、気をつけて。
雑音を出さないトレーニング
そんな時は、小さめの声をそおっと出しながら、声帯がきれいに鳴ってくれる「ちょうどいい息の量」を探すことが大事です。
そして、いつも適切な分量の息を使えるよう、身体全体のコントロールを覚えていくようにします。
そのためには腹式呼吸のトレーニングはもちろんのこと、息を溜めて発声するトレーニングや、声帯のまわりをリラックスさせるトレーニングなどが役に立ちます。
また、滑舌のトレーニングも大切です。
子音を明瞭に軽快に発音できるような技術があれば、息を不必要に使わなくなります。
また、母音の発音は易しいようでいて、かえって息を多く吐きがちになるので、長母音を使って息の使い方を訓練していきます。
こうやって息をコントロールできるようになっていくと、きれいな声を出せるようになるのですね。
自分の声をよく聞きながら、心を込めて丁寧に練習しましょう。
必ず結果が出てくると思います。がんばってください。
ここにあげたいろいろなトレーニングについては、これからのコラムで少しづつお話ししていこうと思っています。