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藤井隆満

新規事業創出の研究開発を支援する博士(工学)を持つ技術士

藤井隆満(ふじいたかみち) / 技術士

藤井技術士事務所

コラム

振動発電デバイスの解説:圧電方式、静電方式、電磁方式、磁歪方式の特徴と原理

2023年11月27日 公開 / 2023年11月30日更新

テーマ:MEMS分野

コラムカテゴリ:ビジネス

振動発電デバイスには、圧電方式、静電方式、電磁方式、磁歪方式という4つの主要な方式があります。これらの方式は、振動エネルギーを電気エネルギーに変換するための異なる原理と特性を持っています。それぞれの方式について説明します。

圧電方式:
原理:圧電材料(例えば、セラミックスやポリマー)を使い、物理的な圧力や振動が加わると電気的な荷電を生じる現象を利用します。
特徴:
高い電圧を生成できる。
小型で軽量/小型デバイスに向く
直接電圧が得られるため、簡単な電力変換が可能。

静電方式:
原理:静電誘導を利用して、振動によって変化する電極間の容量の変動を電気エネルギーに変換します。
特徴:
高い電圧を生成できるが、電流は小さい。
構造が複雑になりがち。
振動の振幅が大きい場合に適している。
高いインピーダンスの負荷に適している。
  
電磁方式(モーター):
原理:コイルと磁石を使用し、振動による相対的な運動で磁束の変化を起こし、ファラデーの電磁誘導の法則により電気を発生させます。
特徴:
低いインピーダンスの負荷に適している。
比較的大きな電力を生成可能。
しかし、サイズが大きくなる傾向がある。
振動の周波数が低い場合に適している。

磁歪方式:
原理:磁歪材料(磁気に反応して形状が変化する材料)を使用し、振動によって生じる磁場の変化を電気エネルギーに変換します。
特徴:
振動からの電力変換効率が比較的高い。
構造が複雑になることがある。
他の方式と比べて、最近開発されている

これらの方式は、それぞれの利点と制約があり、用途に応じて選択されます。
まったくの私見ですが、小型軽量なデバイスや高い電圧が必要な用途では圧電方式が、大きな振動エネルギーを捉える必要がある場合には電磁方式が適しています。インフラ等で長期の使用を考えると磁歪方式がいいのではと思います。

専門は圧電ですが他の方式においても、用途探索や構造の最適化、回路や出口との組み合わせなどご相談ください。


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