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海江田博士

有効な経営革新支援でより強い経営を目指すプロ

海江田博士(かいえだひろし) / 税理士

税理士法人アリエス

コラム

社長が語るストーリーの持つ力―顧客を魅了する会社の物語とは―

2022年3月28日

テーマ:販売促進戦略

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 事業計画書経営戦略広告 種類

何故ストーリー?

私はこれまで、経営者が行なう「情報発信(アウトプット)」中に、その企業の「ストーリー」を組み込むことができれば、自社の販売促進戦略として極めて効果的ですよ、と度々述べてきました。この「ストーリー」というものを改めて考えてみたいと思います。
というのは、おそらく「そうは言われても、その「ストーリー」ってどうやって切り出してどうやって伝えればいいんだよ。」という声が聞こえてきそうだからです。これまで、そんな切り口で自社のことを考えたことなどない、という経営者にとって、ちゃんとした解説がなければ、いきなり「ストーリー」といわれても、戸惑うしかない、といったことになりそうです。
今回、この課題について、幾つかに区切って考えてみました。それは以下のような区分になります。


・社史との違い

「ストーリー」を一番取り違えそうになるのは「社史」ではないかと思います。近年では、立派な「社史」を編纂する会社も増え、その編集や制作を代行する業者も出てきているようです。
「社史」と「ストーリー」の大きな違いは何でしょうか。それは二つあります。
一つは、それが内側に向かって作られるものか、外に向かって発信されるものか、という違いです。「社史」を大切に思い奉(たてまつ)るとすれば、それはほぼ間違いなく社内の関係者ということになります。外部の関係者は配布或いは贈呈されることはあっても、おそらく直接関わることは少ないでしょう。
また正直言って、貰った方がそれほどありがたがるものでもありません。これは別に「社史」を中傷しているわけではなく、「社史」というものはそういうものだからです。
もう一つの違いは「社史」は客観的な事実を時代順に正確に表現しなければなりませんが、「ストーリー」はそれとはやや異なるということです。「社史」が基本年表だとすれば「ストーリー」はまさにその名の通り物語ということになります。物語とはいえ、もちろん中身にウソ偽りがあってはなりませんが、それを読む人の感情に訴えるメリハリがなくては全く面白くありません。むしろ、ときには書く側の感情移入や少々の誇張的表現などあってもいいと思います。


・広告宣伝との違い

「ストーリー」といっても、なにも会社の成り立ちから現在までをダラダラと述べる、という意味ではありません。会社の何か特別な出来事や、特徴のある製品或いは商品などについて、その前後のエピソード、完成秘話などを一つのお話として完結させるものです。
そうすると、「そういったことは広告宣伝の中で表現できるのではないか。広告宣伝とどこが違うのか?」という疑問が出てきます。「むしろ広告宣伝の役割ではないのか?」と、いう声も出てきそうです。
しかし、広告宣伝というのは、原則その商品やサービスのマイナス面は伏せるものです。プラス面の特長やイメージのみを伝えようとします。そこに通常ネガティブな情報は含まれないのです。
一方、「ストーリー」はむしろ逆と言っていいくらいです。欠点やマイナス面をさらし、そこからどうやって逆転したのか、這いあがったのかというプロセスが重要な要素となります。いいところばかり強調する訳ではないのが「ストーリー」の特徴なのです。


・スペックや商品パンフレットとの違い

これは「広告宣伝との違い」とやや似ていますが、少し細かい点が異なります。商品パンフレットは、その商品の長所や良いイメージを強調している点で広告宣伝と似ています。
更に特長的なところは、内容が「専門的」であるという点です。特にスペックなどは、テクニカルタームなども頻繁に使われるため、その業界に詳しい人でなければ理解できない場合もあります。
これに対して「ストーリー」は、その内容が万人に通じるものでなければなりません。その企業の専門的な領域を超えて理解され、人々の心に感動を与える必要があります。「専門性」すら超えたところに「ストーリー」の持つパワーがあるのです。


・経営計画との違い

この「違い」には、意外な感じを受けられる方が多いかも知れません。これまで述べてきた「社史」「広告宣伝」「パンフレット」などはその違いについて説明したとしても、それほど違和感はなかったと思います。しかしここで「何で『経営計画』なんだ!?」と、思われるかも知れません。
ここで登場したわけは、「経営計画」も「ストーリー」も最終的には未来に向かうものだからです。当然「ストーリー」は過去にあった事実を語るものではありますが、そのまとめの部分は必ず未来へ展望が語られるべきです。
ここが、「社史」や「広告宣伝」と大きく異なる点でもあるのです。「ストーリー」というのは、企業が目指すビジョンや希望に満ちた未来というものと繋がっていなければ魅力がありません。そこに「ストーリー」の持つ本来の価値があるといっていいくらいです。
いうまでもなく「経営計画」は未来を映すものです。「こうありたい。」という姿を見せてくれます。しかし、その表現方法は主に数字を主体としており、ある意味無味乾燥なものに見えます。また、外部の人間は、大して興味も持たないでしょう。「ストーリー」と違って「読み物」ではないからです。したがって「未来を語る」と言っても「ストーリー」とは異質なものなのです。


「ストーリー」の発見は楽しい!

以上、4点の違いを通じて「ストーリー」というものを明確化してみました。「ストーリー」については、まだまだ語ることはできます。
今回は、他の様々な項目と比較をしてみることで、その理解を深めてもらいたいと思い、こういった書き方にしてみました。似て非なるもの、との比較によってその特徴がより顕在化したのではないか、と思います。
とはいえ、ご自分の事業から「ストーリー」を切り出すには、まだまだ戸惑いやわからない点が多いことでしょう。私は、その切り出し方から発信の仕方に至るまで、お手伝いすることができます。
これはやってみると、想定していたより面白い試みになると思います。是非この楽しい試みに一緒にチャレンジしてみませんか。



あなたのストーリーを考えてください。

PS
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
お読みになったように、いささかユニークな税理士です。
この業界特有の硬さはみじんもありません。
私と話すと面白い、と、よく言われます。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。
お電話でも、メールでも、Zoomでも対応いたします。
是非一度、お話いたしませんか。

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