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海江田博士

有効な経営革新支援でより強い経営を目指すプロ

海江田博士(かいえだひろし) / 税理士

税理士法人アリエス

コラム

わかってます?知ってるはずだ、が疑わしいこと―古くて新しい経営者の「情報発信(アウトプット)」―

2022年3月25日

テーマ:「情報発信(アウトプット)」戦略について

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 経営戦略マーケティング戦略広報戦略

「士業」と「師業」

世の中に「士業」というものがあります。よくご存知の弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、行政書士といった職業です。一方「師業」というものもあります。医師、歯科医師、教師、調理師、美容師と言った職業です。
とはいうものの、実は普通「師業」という使い方はしません。もっぱら使われているのは「士業」の方です。
それはともかく、どちらも「し」がつくことに変わりはないのですが、この二つにはいくつかの共通点があります。それはこれらの職業が入口のところで国家資格が必要である、ということです。
これらは、専門性の高い職業なので、その専門性のスキルを問う資格試験が、国の制度としてあらかじめ設定されているのです。したがって、いずれもこの資格試験に受からなければ、これらの職業に就くことはできません。


両者にある共通点

その他にもいろいろ共通点、相違点あるのですが、仕事を始めてから気づく共通点が幾つかあるのです。それはどちらも、一般の企業が普通に行なっている営業活動や販売促進、広告宣伝というものをそれほど実践していない、ということです。これらの「士業」或いは「師業」の人たちが、熱心に営業や宣伝に取り組んでいるというのはあまり聞いたことがありません。
その根本的な要因の一つに「あらかじめ規定された資格」なので「宣伝などしても仕方がないだろう。」という思いがあるのではないでしょうか。「自分たちが、何をやる仕事なのかは、既に世間にはよく知られているはずである。したがって、広告宣伝などの方法で今さら知らせることなどないのではないか。」という思いが根本にあるのだと思います。特に、税理士、弁護士、医師といった職業は、世間的にはかなり知られた専門職なので、長い間、広告であるとか自身を積極的にアピールしていくとかとは無縁の世界でした。


情報を届け始めた人たち

しかし近年、弁護士も医師もマスメディアなどを使って、派手に広告宣伝を打つ人や法人なども出てきました。特に弁護士、司法書士といった資格においては「過払い金返還請求」という、願ってもないビジネスチャンスを得て鼻息が荒いようです。医師や歯科医師も「美容」とか「アンチエイジング」という、これまでその専門職としてはあまりアピールしてこなかった切り口で、広告宣伝などに向き合う人が増えてきています。
この人たちは、同じ資格で仕事をしていても、やっている中身が他とはかなり異なっているので、その違いをはっきりとアピールした方が世間にわかりやすいのだ、ということに気がついたようです。弁護士の「過払い金返還請求」の場合、相談の気軽さや手続きの簡便さをうたい文句にして、彼らの持つ堅苦しさ敷居の高さといったものを払拭しようとしています。
いずれにしても、これまでその利用者或いは利用者候補の人たちに伝わっていなかったこちら側の、特徴のある情報や詳細な情報を届けることによって、新しい境地を開拓しているのです。


「私は○○屋だ!」は通じているのか?!?

さて、ここまで「士業」或いは「師業」をサンプルにして、いろいろと語ってきました。しかし、私が言いたいのは、似たようなところが一般企業にもあるのではないか、ということなのです。つまり、「士業」或いは「師業」の彼らが「与えられた資格で仕事をしているのだから、広告や宣伝などしなくても世間はわかっているはずだ。」という思い込み、或いは自己規定は、他の企業にも当てはまるのではないかと思うのです。
商売や事業を長く続けていれば、経営者は次のように思っているはずです。「私が○○屋ということはみんな知っているはずだ。」とか「私は○○屋なのだから世間の人はみな○○屋としか思っていないに違いない。」と、ほとんどの経営者は思い込んでいるのではないでしょうか。
そうやって、こちらが何屋さんであり何を専門的に扱っているのか、といったことは、周りのみんなはよく知っています。なるほど、極めて狭い範囲であればそれはその通りです。


「知ってるはずだ」は疑わしい!?

ただし、人口減少が進む現在、その共通認識が通用している範囲内でビジネスを成立させることが厳しくなってきていることも事実です。商圏を広げていかなければ、必要な顧客数を確保することはできません。
しかし、これまでよりビジネスの守備範囲(商圏)を広くとればとるほど、みんなが知っている、という共通認識は希薄になっていきます。離れれば離れるほど、人があなたのことを知っている可能性は下がっていくのです。
ということは、これまでより踏み込んでこちらの存在をアピールしていく必要があります。これまでやっていなかった「情報発信(アウトプット)」を実践するのです。そうやって、新しい情報の提供を行なえば、これまでの顧客も変わってくる(新しい受注に繫がる)可能性があるのです。
「私が○○屋ということはみんな知っているはずだ。」という前提を一度捨ててみて下さい。もう少し正確に言えば「みんなが俺のことをよく知っているはずだ。」という前提を一度白紙に戻すということをしてみて下さい。自分の存在や専門性をよく知らない人に、自分のことを正確に伝えるというのは簡単なようで案外難しいものです。


効果の大きいユニークな方法

今回サンプルとして紹介した「士業」や「師業」の人たちは、こちらのことをなんとなく知っているはずの顧客候補達に、どうやって自分の専門性や得意分野を伝えていいのかわからずに四苦八苦しています。また、資格業である彼らには、多少業界の監視の目や自主規制といったうるさい存在があるので、伝え方にも制限がありやや窮屈です。その点、一般企業であれば、思いっきり自分なりの広告を打つことが可能です。
そんな中でも、私がお勧めしている社長自らが行なう自社ストーリーの「情報発信(アウトプット)」はかなりユニークな方法です。それは単なる広告宣伝とは趣を異にしています。もちろん「情報発信(アウトプット)」の中身も大切ですが、そのこと自体がユニークですので、得られる効果は大きいと言えます。例え長年やって来た商売であっても「みんなが知っている。」という前提を捨てて、「情報発信(アウトプット)」を心がけてみて下さい。必ず新しい世界が広がるはずです。




士業の本当のところは知られているのか?


PS
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
上記の通り、いささかユニークな税理士です。
この業界人特有の硬さはみじんもありません。
私と話すと面白い、という方がたくさんいらっしゃいます。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。
電話でも、メールでも、ズームでも対応いたします。
是非一度お話の機会を・・・・・

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