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海江田博士

有効な経営革新支援でより強い経営を目指すプロ

海江田博士(かいえだひろし) / 税理士

税理士法人アリエス

コラム

補助金ってなんだろう?―その本質と現実について考える―Ⅳ

2017年5月15日

テーマ:経済問題

コラムカテゴリ:ビジネス

その後も総務のスタッフがよく調べてくれますので、時々補助金、助成金の申請を出そうとするのですがなかなかピタッと来たためしがありません。
大抵はパンフレットなどにうたっている文句と、いざ具体的に申請に行った時の細かい規定にズレがあるのです。


あまりにいつもズレるので、業を煮やした総務の女性が、補助金窓口の担当者を問い詰めたことがあったそうです。

「きちんと申請しているのに、何故いつもパンフレット通りに手続きを進めてくれないのですか!」

すると、窓口担当は
「公けのパンフレットなどには表向きの大雑把な説明しか書いてありませんが、私たちはこのようなマニュアルにしたがって手続きを進めています。」
と、分厚いマニュアルの冊子を見せたというのです。

で、それに従って実務を進めると先ほどの話のように、当てにしていたものよりかなりしょぼい結果にしかならないのです。
つまり、彼らには彼ら用の裏マニュアルがあったのです。(彼らは、それはなかなか認めないでしょうが。)



これを聞いて「あーそうか!」とその正体に気がつきました。

「補助金や助成金というのは、たまたま進めていた事業に、後付けでピッタリと来るものなどほとんどないんだ。
そうではなくて、その補助金や助成金を狙って組み立てた事業にのみピッタリ合うのだ。」
と。
「組み立てた」と言うより、無理矢理こさえた、あてはめたと言った方が当たっているかも知れません。


お分かりになるでしょうか? 

事業は、特に民間の事業は大抵の場合、経営者自身の目的や目論見があって出発します。
しかしこういう経済情勢です。
ギリギリの資金状況で進めることも多い訳です。

そんなとき
「たまたま補助金や助成金のバックアップがあるとありがたい。あるんだったら是非利用させてもらいたい。」
と、考えるのが普通でしょう。

ところがその際、その制度が融通性や柔軟性に著しく乏しく、ガチガチで針の穴のような条件だったらとても使えません。

で、現実はどうかと言うと、実際に進めている事業に、後付けでピタッと来るような補助金や助成金はほとんどない、と言っても過言ではないのです。
使おうとすると、それこそ針の穴を通すように難しいのです。



つづく

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