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コラム
補助金ってなんだろう?―その本質と現実について考える―Ⅲ
2017年5月14日
以前、事務所で、総務の女性が出産することになり、育児休暇を取ったことがありました。
私は女性社員が出産育児で休んでも、その後職場復帰できるように所内制度を整備したのです。
ただし、資金力は今一つの我が事務所なので所得補償までには至っていませんでした。
そうこうしていたら、育児休暇を取った当の彼女自身が
「所長、育児休暇補償の助成金があるみたいです。」
と調べてきたのです。
そんなもの当てにしていた訳ではないが
「おおっ!そりゃ、いいじゃん。せっかくだ。くれるんだったら貰おうぜ。」
と言うことになり、彼女に更に詳しく調べてもらいました。
その助成金のパンフレットには随分と良いこと美味しいことが書いってあったらしいのです。
ところが、いざ申請に行ってみると細かいところで「あーだ、こーだ」と言われて、結局最終的には当初考えていたよりも相当せこい金額になってしまいました。
それでも、もともと想定していなかった金銭だったので「まっ、いいか。」と自らを納得させようとしたのです。
で、もちろん、このせこい助成金の手続き関係はこれで終わり、後はこのわずかなお金が振り込まれるのを待つだけ、と思っていました。
こんなものに、そんなに時間を割いてかかずらあっていられません。
ところが、後日更に先方から連絡があって
「補助金を出すについては、担当の者をそちらに出向かせるので、いろいろとヒアリングをさせてもらいたい。」
と言ってきたのです。
「この程度の金額でなんと大袈裟な・・・」
と内心思いましたが、とにかくヒアリングにやってくると言うのでその日は仕方なく事務所で待っていました。
そうすると、当日鹿児島からわざわざ何と2人の担当者がやって来ました。
鹿児島市内から私の事務所までは片道2時間弱かかります。
そう、田舎なのです、我が町は。
往復の移動時間を考えると、この2人にとってはほぼ一日仕事になります。
その日のこの人たちの日当分で
「今回貰える金額の倍はいきそうだな。」
と胸算用したのを覚えています。
「何たる無駄!」
と呆れたが、いろいろ偉そうなことは仰るので、ともかく神妙にヒアリングは承りました。
やって来たのは年配の女性2人で、どう見ても片方はただくっついてきただけにしか見えません。
「こっちの人は別にいらないなあ。人件費の無駄!」
といった感じのお供でした。
つづく
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