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海江田博士

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海江田博士(かいえだひろし) / 税理士

税理士法人アリエス

コラム

補助金ってなんだろう?―その本質と現実について考える―Ⅴ

2017年5月16日

テーマ:経済問題

コラムカテゴリ:ビジネス

しかし世の中「逆も多い」ということにも気がつきました。
つまり、補助金や助成金狙いで無理やり事業を組み立てる、ということも結構まかり通っているのだ、と。

先述の風力発電のTV特集を見ていて、そう思ったのです。

ま、このことには以前からうすうす気づいてはいました。


私の事務所では、これまで何回か
「助成金が出ると聞いたので事業計画を作ってもらえないか。」
という相談を受けたことがあります。
低迷する田舎の経済状況の中で「その意気や良しっ!」と喜んだのです。

私は当然のこととして
「ああ、じゃあその事業は以前からやってみたいと思っていらしたのですね?」
と素朴に先方に聞きます。

すると、
「いやあ、今回たまたま役場にいる同級生からそんな情報が入ったので、貰わなきゃ損かと思ってやることにした。」
と、呆れた答えでした。

なかには
「俺はやらないけど、誰かにやらして手数料だけ貰おうかと思って・・・」
と言ったボンクラの二代目もいました。

いずれもこちらが手を貸すのは丁重にお断りしました。



本人が本気で取り組む気のない事業などに誰が手を貸すものか!

しかし、或る意味これが補助金や助成金の本質かとも思います。
つまり、「さもしさ」の土台の上に成り立っているのです。

「俺が貰わなきゃ誰かが貰う。そんなことになったら俺が損をする。無理繰りにでも事業をでっちあげなきゃあ。」
となるのです。
「別にあんたは損をしないだろう。」
と思うのですが・・・

しかも、いずれにしてもお上(カミ)の「お下げ渡し」のお金です。
あっちの言い分に合わせて「へへーっ」と頭を低くして戴かなければなりません。

その結果、自分が本当にやりたかったことが、多少なりともねじ曲げられてしまうことが度々であります。
つまり、相当なアレンジを必要とするのです。


ひも付き、条件付きの中には頭をひねってしまうような内容のものも多いのです。

当初、もらった金で一見得をしたようにも思えるかもしれませんが、あとあとそのねじ曲げ(アレンジ)部分が思わぬ「足かせ」となって事業の健全な進行を妨げてしまうのです。



つづく

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