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コラム
マーケティングと政治―両者の共通点から見える面白い世界―Ⅱ
2017年1月22日
マーケティングが目先の売上を意識するあまり、消費者ニーズのみを追いかけていたら、おそらく世の中はつまらない商品だらけになってしまうでしょう。
消費者のニーズがある程度確定しているというのは、世の中の大半の人が知っている、或いは流行りはじめている、ということになります。
つまり既に顕在化しているニーズなので、こぞってこれだけを追いかけていると似たような商品ばかりが世間に溢れることになるのです。
これはお笑いタレントを思い浮かべてみるとよくわかります。
テレビ局はリスクを取りたくないために旬のタレントを多用します。
どのチャンネルをひねっても同じような顔ばかり見せられることになりますね。
そうすると、露出しすぎたタレントはやがて飽きられ、聴取率が取れなくなってきたところでTV局にも干されてしまう、といった結果になります。
マーケティングだけを表層的に追いかけているとこれと似たような弊害が出てくるのです。
一方、政治が大衆の支持を得たいがために、迎合するような政策ばかり取っていたら、やがて国の行く末を危うくすることになります。
人気取りの最たるものはバラマキ政治です。
こんなものが、何故効果があるのか私には不思議でなりませんが、政治家の中にはこの効果を信じている者も少なくありません。
しかも、実際それなりの功を奏する場合もあるのだから始末に負えないのです。
バラマキ政治の最大の罪は「持続性がない」ということに尽きるでしょう。
ばらまいた金は、その政策の目指した意図によって、有効に使ってもらわなければ意味がないはずですが、思惑通りに活用されることは少ないのではないでしょうか。
ということは、選挙民の更なる支持を取り付け続けるためには、第2弾3弾のバラマキを行なわなければならなくなるのです。
元々愚作な上に、キリがなくなるのです。
これは極めてレベルの低い政治手法と言わざるを得ません。
これを一般に衆愚政治と言っているのです。
しかし、もちろんマーケティングも政治もその本質はそんなところにはありません。
つづく
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