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コラム
フィリップ・コトラーの名言でマーケティングを見直すⅢ
2016年10月26日
2、自社の製品やサービスを再点検すること。
前項の「顧客がどう変わりつつあるのかを注視すること」の解説でも述べたことであるが、顧客の「選択」が変化していく以上、こちら側の提供する商材も変えていかざるを得ない。
当然、景気後退期においては、それまでよりも廉価な商材を提供した方が顧客の支持を得られやすいと推測することができる。
しかしここで重要なのは
「単にチープな商品に切り替えれば済むわけではない。」
ということなのである。
顧客は、特に現代の顧客は景気後退の局面に入ったから、自分の手にするものもチープなレベルで我慢するのが当然、とは考えない。
「贅沢なものでないことは仕方がないが、品質はそれなりのものでなければ納得できない。」
と考える。
従って提供する側は、価格を下げざるを得ないが、品質までそれに合わせて下げる訳にはいかない、というジレンマに陥る。これを解決するための対策というのはかなり難しい課題である。
例えば、品質を落とさないでデザインをシンプル化する。
機能を絞り込む。
生産の合理化を図る。
資材調達を工夫する。
などの対策が考えられる。
また、「サービスの再点検」ということについては、値下げとは逆のの対策も考えることができる。
例えば、新商品への買い替えが望めないとすれば、機械などのメンテナンスや修理については、通常より丁寧な作業をすることにより商品寿命を延ばす、というサービスが支持される可能性がある。
そのこと(商品寿命を延ばす)を顧客にきちんと説明して、通常より高額のメンテナンス費用や修理費用を請求することも可能である。
或いは我々の業界のサービスであれば、通常は顧客の経営力にまかせて事後の税務対策などが主な仕事となる。
しかしながら、景気後退期に顧客の経営が思うようにいかないとなれば、資金繰り等を含めた経営支援にサービスの質をシフトせざるを得ない。
そうなれば、むしろ通常の顧問料を上回るフィーをいただきながら、コンサルティングに近い業務を提供していくことになる。
景気後退期のサービスが何も値下げ一辺倒ではない、ということがこういった検証からも確認することができるのである。
つづく
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