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伊藤馨

新築から住宅の相談まで、快適な住まいづくりのプロ

伊藤馨(いとうかおる) / 一級建築士

伊藤建設株式会社

コラム

木の家の屋根はどんな屋根でも合う

2015年12月29日

コラムカテゴリ:住宅・建物

木の家のデザインを決めるに当たって屋根の形はとても重要になってきます。屋根の素材にも種類があるのですが、木の住まいの屋根はどんな形、どのような素材も合うので、さまざまな施工例をみてイメージを膨らませてください。

木の家の屋根の形は大きく4タイプある

家のイメージを大きく左右する屋根。その形には、大きく4つのタイプがあります。

まず「切り妻屋根」。屋根の頂上部から地上に向かって伸びる2つの傾斜面が本を伏せたような山形の形をした屋根のことです。洋風、和風、どちらのタイプの住まいにも多く採用されています。構造が単純で、メンテナンスがしやすいのが特徴です。

シンプルな形の「片流れ屋根」は、読んで字のごとく、よく見る三角屋根(切り妻屋根)の片方だけといったデザインです。屋根の空間を小さくできるので、外壁も屋根面積も小さくできるので経済的です。

「寄棟屋根(よせむねやね)」は四方から屋根の勾配があるので、「切り妻屋根」に比べると雨の流れがいいので、耐風面積が小さくできるので耐震壁が少なくてすみます。

その一方で屋根に垂直部分がないので、「切り妻屋根」や「入母屋屋根(いりもややね)」と比べると、小屋根裏の換気が悪くなりがちですので棟に換気棟をつけて対処します。

「入母屋屋根(いりもややね)」は上部に切り妻、下部に寄棟を組み合わせた屋根のことです。社寺建築でよく用いられていて、格式が高い重厚感のある屋根になります。

ほかにも、蝶々の羽根のような形をした「バタフライ」や屋根の高さが段違いになっている「招き屋根」などがあります。

日本人らしさを感じる瓦屋根やあたたかみのある南欧風の瓦屋根

日本の気候風土に適しているのはやはり瓦の屋根です。昔から受け継がれてきた瓦屋根は重厚感があり、落ち着いた雰囲気があります。また、南欧風の瓦を使った木の家は明るい雰囲気になります。

屋根は軽い方がいいといわれることもありますが、日本建築では2階建ての家の屋根には1㎡あたり50kg前後の重量があるほうが、地震で揺れたときに復元力があるといわれています。
粘土瓦は1枚の重量が2.5~3.0kgくらいあり、1㎡あたり約17枚(約51kg前後)の瓦を使用するので、日本建築の屋根には瓦屋根が最適ともいえます。それに割れない限り屋根を守るので、瓦は葺き替え時に再利用できます。

スマートな印象の化粧ストレートやガルバリウム鋼板を使った屋根

「化粧ストレート」も普及している屋根材です。セメントと合成繊維を混ぜ合わせて、約4.5mmに成型して表面に塗装を施した屋根材で、すっきりした印象になります。

雪の多い地方では、ガルバリウム鋼板の屋根が多く見られます。ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%のアルミ亜鉛合金メッキ鋼板で、耐食性・加工性・耐熱性・熱反射性が高く、カラーバリエーションも展開しているので、建物のカラーに合わせて好きな色が選べます。

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