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突然のシャンクに悩んだら

2018年6月15日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:シャンク

コラムカテゴリ:スクール・習い事

突然のプッシュアウト!

先日、生徒のTさんからお悩みをお聞きしました。
(以下私は私。Tは生徒さん)
T『この間のラウンドで、急にシャンクみたいなプッシュアウトが出て参りました。』
私『どのくらいの距離の時ですか?』
T『だいたい100ヤード以下の時です。』
私『あぁ、Tさんの場合、その距離だとトップでクラブの動きを止めてしまっているのだと思います。止めるとシャンクみたいなプッシュアウトが出ることがあるんですよ。』
T『そうなんですか?!』
私『はい。では、チョッと打ってみてください。』
打ってもらうと、やはり上げすぎを怖がって止めてしまっています。
小さなトップにしたい(飛距離をを出したくない)のはわかりますが、これではトップするか?シャンクするか?引っかけるか?のいずれかになる可能性が大変高いです。
私『トップで止めようとすると、ヘッドは慣性モーメントでまだ先に行こうとするのに、グリップは引き下げる動きになります。そこで振り遅れてしまってシャンクが出ているのです。いいですか?見てくださいね。』
私はスローでTさんのスウィングをやってみせました。
(以下、写真入りで解説します。ストップモーションで撮影しているため、一連の流れの中で撮ったものとは微妙に違和感がるかもしれません。ご了承ください。実際には一連の流れの中でスウィングしてみせています。)

1の写真は静止状態ですので、特に問題はありません。

問題は、次の2の写真です。腰と肩の中間まで自分の力で上げてしまっています。

そのせいで、クラブは慣性モーメントで水色の線で示したようにもっと先まで動こうとしていますが、それを止めようという動きをしてしまっているので、体は右方向に引っ張られてしまいます(青い線)。
戻す力は、慣性モーメントに逆らっているため、赤い線のように弱いものとなります。
だから次の4の写真のようになるのです。

慣性モーメントに逆らっているので、クラブに引っ張られて体が開いてしまい、軸が左に流れてしまいます。
ヘッドがインサイドから出てきているのが良く分かると思います。
青い線で示したように、慣性モーメントに逆らって振っているため、タイミングがずれるのです。

完全に軸が左に流れてしまい、フェース(紫の線で囲った部分)も開いています。
本来なら、赤い線の所にないといけないのですが。
当然、かなりインサイドアウトの軌道になってしまっています。

インパクトでは、手が先行しフォーアーム(前腕)のローテションが使えません。
その結果、振り遅れてしまいインサイドアウトの軌道でスウィングすることとなり、フェースも開いていますからシャンクになります。
私『Tさん。止めるというのは、振りかぶりすぎ以上に悪い結果になる場合が多いんです。トップで止めるのではなく、腰のあたりがトップだと思って、そこまで手を上げたら、そこから先は慣性モーメントに任せてしまってください。そうすると、振り遅れが収まり、シャンクも出なくなるでしょう。』
今度は、正しいトップの位置と切り返しをやってみせました。

上がり切ってからダウンスウィングに入っているため、赤い線で示した振り下ろす力の方が、青い線で示した向こうへ行こうとする力(慣性モーメント)より強くなっています。

ヘッドがインサイドから出ていますが、4の写真のように流れていないため手首のタメもできており、軸もブレていません。
4の写真と比べて、シャフトが立っているのが分かると思います。

左股関節の上で回転しているので、左の壁ができておりまだコックもほどけていません。

そうすると、体の正面でボールを捉えることができます。

私「Tさん。小さなテイクバックでも、止めちゃダメなんです。上げる位置をフルショットより小さくするだけで、小さなトップで止めようとするとさっきやってみせたようなシャンクが出てしまいますから。』
T『難しいですね(笑) でも良く分かりました。見ててもらえますか?』
私「もちろんです。』
今度はTさん、上げる位置(どこまで上げようとするか?)に苦しみながらも、トップで止めることをしないように気をつけて小さなスウィングにトライしました。
最初はなかなかクセが抜けませんでしたが、少しずつ感覚が分かってくると、小さなトップで短い距離を真っすぐに打てるようになってきました。

小さく打ちたい時、小さなトップで止めるのではなく、『そこで止まるだけの力しか入れない』ことが大切です。
上がろうとするクラブを止めようとすると、上の写真のようにタイミングがずれてシャンクになったり、無理やり抑え込むと逆に引っかけになったりします。
慣性モーメントは、皆さんが思っているより意外と大きなものなのです。
そこを計算に入れてテイクバックの大きさを考えましょう。

まとめ
スウィングを止めるのは、振りすぎよりも悪い結果になりやすい。
小さなトップにしたければ、トップまで上げて止めるのではなく、惰性で上がり、そこで止まるだけの力しか入れない。
止めよとすると、クラブの慣性モーメントで引っ張られてしまい、軸がずれる。

いかがでしたか?
もし貴方がゴルフのことでお困りでしたら、気軽にオーシャンゴルフアカデミーまでお尋ねください。
クラブのことでもスウィングのことでも、納得できるまで分析・解決させて頂きますので。

この記事を書いたプロ

深田洋史

ゴルフレッスン&クラフトのプロ

深田洋史(Craftsman Golf Shop Ocean CLUB)

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