太陽光発電について③～そもそも日本に向いている設備とは思えない。
今回は、⑦の続きで私が太陽光パネルを勧めなかったもう一つの理由です。
10年ほど前に「日本列島SOS」という本を読みました。著者は京大の宇宙物理学科を卒業し、若いときはNASAに努め、神奈川大の学長も務めた桜井邦朋さんで専門は「太陽」の研究です。
本の中で、桜井邦朋さんは再生可能エネルギーの中で太陽光エネルギーだけは宇宙から来るエネルギーと断ってから「放射平衡」について書いています。
地球は太陽が出ている時間は、太陽光エネルギーによって温められますが、太陽が沈むと今度は気温が低い宇宙へ昼間に受けた太陽エネルギーを地球から放射します。つまり、昼間受けたエネルギーを夜になると宇宙に返すのです。これを「放射平衡」といい、この地球と太陽の関係が続いていて地球の温度は一定に保たれていたと書いています。
風力発電は地球で吹いている風を利用して、地熱発電は地球の熱を利用して発電する。どちらも地球にあるエネルギーで発電しますが、太陽光発電は宇宙から来たエネルギーです。そのエネルギーを宇宙に返さずに発電や蓄電として使えば、地球にはなかったエネルギーを余分に取り込んでしまうことになってしまう。つまり太陽光発電により「放射平衡」は保たれなくなるのです。
桜井邦朋さんの考え方だと化石燃料はもともと地球にあったものですから、地球外から来る太陽光エネルギーよりも地球環境に良いのではと私は思っています。
次回は、『太陽光発電について⑯～太陽光発電のギモン2』です。
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