結露⑭~これからの住まいは内部結露との戦い
この記事が4月の出来事と書いてありました。夏になっていないことに驚いたと書いてありましたが、私にはそれほど驚くこととは思いませんでした。
6地域では1月2月の降水量は少ないですが、3月頃に吹く「春一番」は南の風ですからその頃から太平洋高気圧の影響は強くなるのです。太平洋高気圧の影響で雨が降るようになれば断熱材に水蒸気は入ってくると考えられます。
そうなると一年のうち8か月から9か月、約10年に渡って高温多湿な空気が通気層から入り、壁の断熱材のグラスウールの中に入り溜まっていったのだと思います。
この記事の家は、内部結露している場所の外壁材を一部撤去しても結露や雨漏れの跡がないことから、通気層の通気量は十分でスムーズに排出されていた、冬の内部結露対策は問題がなかったと考えられます。
通気層の通気量が十分ということは、夏の高温多湿な空気もたくさん通っていたことになります。通気層にはたくさん高温多湿な空気があることになり排出される空気もありますが、同時に透湿防水シートを通って壁の中に入る空気もあると考えられます。その空気は冷房で冷えた部屋の内壁に当たり露になるほどの量が入ったと考えられるのです。
溜まった水蒸気は断熱材の室内側までに入り込んでいるため、冬になって外気が低温少湿な空気に室内が高温多湿な空気となり、壁の中の空気が夏とは逆に内部から外部に移動しても、全て排出しきれない状態になったと思われます。毎年、残った水蒸気は徐々に溜まっていき、グラスウールが絞れるほどになったと思います。
次回は、『夏型結露2⑤~可変透湿気密シート』です。
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