相見積りのムダ①~市販の本に…
それから一週間もたたないうちにまた電話がありました。
1回目と2回目の電話の間に、台風が来ました。Aさんの電話では、台風が近づいているときに連絡していないのに以前に修理に来た工務店が様子を見に来てくれたという話でした。
私は「心配になってきてくれるなんて、いい工務店ですね。」と言いました。Aさんはそこで葺替えの見積もりを出してくれるように言ったそうです。
数日後(その工務店から見積もりが出てから)、3回目の電話がありました。
防水紙の値段を聞くのでたくさん種類があり値段も違いますと答えました。
私は「昔はアスファルトフェルトかアスファルトしかありませんでしたが、今はゴム質、透湿、熱を反射するなど防水以外の性能を持った材料などたくさんあります。」と答えました。ただ、透湿性能のシートは合板の野地板には向かないと言いました。
その理由は、屋根材が瓦の場合、瓦と下地の間に空気があり、当然湿度がありますから空気は下地の方へ透湿してしまいます。透湿シートを使用するときは、屋根の野地板は無垢材でないと傷んでしまいます。合板は透湿能力が低いため、合板自体が傷んでしまうと説明しました。(コラム合板の使われ方③ 参照 )
上記のような説明の後、なぜその値段を聞くのですかと尋ねると、業者によってその材料が違うからと答えました。
Aさんの説明では、修理に来てくれた工務店は最も安い普通のアスファルトルーフィングで見積もりをだしているらしく、これでいいのかと質問されました。「屋根の材料は何ですか?」と質問しました。和風瓦と書いてありますとの答えなので、和瓦なら問題ありませんと言いました。
和瓦は、最近多く使わられている平板の瓦と違い、湾曲しているため雨水は中央に集まり雨が漏りにくいのです。Aさんには「60年前ですとAさんの家の屋根はおそらく土葺きで、現代のような防水紙も張っていないかアスファルトフェルトという紙にアスファルトを浸透させたものが張っているだけです、今までそれでも雨が漏らなかったのですよ。」と説明しました。
その工務店は築60年の家なので、和瓦のほうが合うと考えたのかもしれません。
次回は、『相見積もりのムダ2⑥~屋根材に合わせた材料 』です。
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