省エネ基準は検証しなくていいのか⑤~冬以外を考えないでいいのか
②(工事の順版の4~7)に書いたレッカーで屋根の構造体まで組み上げ、屋根に野地板(合板)を張ります。野地板の上にルーフィング(種類がたくさんあります)と呼ばれる防水シートを張ります。③に書いたようにルーフィングを張ることで雨が屋根から入らなくなります。
屋根の下地としての野地板(合板)は大工が張りますが、ルーフィングという防水シートは大工が張りません。屋根業者が張ります。そのため野地板を張ってから屋根業者が来るまでの間に雨が降ると野地板は水浸しになります。野地板が無垢材なら含まれた水分もどんどん乾いていきますが、最近の家は屋根下地はほとんど合板で、合板は一度濡れるとなかなか乾きません(コラム合板の使われ方④参照コラム ;合板の使われ方④ 参照)。
昔は(私のところではいまでも)、大工が野地板を張ったら続けてルーフィング(防水紙)張っていました。その日の工事で野地板を張ったところはルーフィングを張ってその日の工事を終わっていたのです。屋根の板が濡れないように、その日の工事を終了していました。
同じように、サッシを付けてから外壁の透湿防水シート(このシートを張ると雨が掛からなくなる)は大工が張りません。張るのは外壁の工事業者です。屋根と同じように外壁業者が来るまでは雨が降れば外壁に掛かります。
前述のルーフィングと同じように昔は(私のところではいまでも)、大工がサッシを取り付ければすぐに透湿防水シートを張っていました。屋根と同じように雨を中に入れないためです。
屋根の軒が出ていれば雨は外壁に掛からないと思われるかもしれませんが、工事中は、外部作業のために足場があるため軒の出た家でも足場に当たって跳ね返った雨は外壁に掛かります。もちろん、最近の軒のない家は足場に関係なく壁すべてに雨が掛かります。
なぜ、大工が防水シートを張らなくなったのか?その理由は次回です。
次回は、『最近の家の建て方(順番)について⑧~分業制の弊害2 』です。
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