材種は何でもいいのか②~経験談 シロアリ被害の現場でその1
⑨に書いた理由から合板は壁の耐力壁だけでなく床の下地、野地板として使われるようになりました。それに加えて熊本地震でも注目された耐震等級が、2000年に制定されました。この改正で等級1~3まで(1は基準法と同等、2は基準法の1.25倍、3は基準法の1.5倍)の3つの耐震等級ができて、その基準を満たすためにさらに合板は使われるようになりました。
等級の基準をクリアするには耐力壁だけではなく家の水平剛性(床や屋根の剛性)を高めないといけません。その方法は、合板が最も簡単で安価です。そのため耐震等級の基準を満たすために床板や野地板も合板を使用するようになったのです。
床倍率(床の剛性)の表の中には水平構面の仕様として、幅18㎝、厚み12㎜の無垢の杉板なども書いてありますが、(板の下地条件により差は異なりますが)どんな条件でも杉板では合板の半分の強度もありません。
耐力壁には私の工務店で採用しているダイライトなど他の面材がありますが、床の材料としては合板と同等の性能を持つ材料はありません。無垢材で広い材料は難しいですし、強度が一定ではないために安全率を見て評価が低く、また、性能を上げるために厚い材料を使用すれば価格は高くなってしまいます。
このようなことから「水平剛性を上げるためには合板を使用する」となったのです。
次回は、『合板の使われ方⑪~一年中乾かない壁の合板 』です。
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