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大きな屋根の家⑧~計算方法によって異なる床面積

鈴木敏広

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テーマ:家の構造について

現在、新築住宅の地震、台風などに対する計算いわゆる耐力壁の計算方法は、基準法の壁量計算と品確法の性能表示の壁量計算、構造計算として許容応力度計算などがあります。

許容応力度計算は時間が非常にかかるため敬遠されていましたが、今では計算できるパソコンのソフトも売られています。このコラムでは壁量計算について書きます。

基準法の壁量計算と品確法の性能表示の壁量計算では、耐震診断と同じ必要壁量を計算しますが、その際に使われる床面積は基準法では1階の壁量は1階の床面積で、2階の壁量は2階の床面積で計算することになっています。基準法では水平投影面積で計算するのではないのです。

品確法による性能表示の計算では、耐震診断と同じように、1階の床面積は1階から見上げた面積で計算しますから、ベランダや1階に駐車場を設けた場合その面積も参入して計算します。

計算方法によって床面積の考え方が違うのです。

大きな屋根の家⑧

ですから、⑥に書いた1階の駐車場の上に2階が乗っている新築住宅の場合、基準法の壁量計算ですれば2階の状態は関係なく計算できる(1階の床面積で計算するから)ため工事許可は下りることになります。建築可能なのです。

1階に駐車場のある家がどんな計算をしているかわかりませんが、⑥に書いたように車一台はまだしも2台は面積が大きいため、木造では無理なのではと私は思っています。
※車1台で2.5m×5m=12.5㎡とすると2台分で25㎡=約15帖の面積です。

次回は、『大きな屋根の家⑨~大きな屋根も同じ』です。


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鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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