樋について⑤~日本の雨
下の図は軒樋の角形と丸形の断面です。底が平らな方が水はたくさん流れるように思われるかもしれませんが、実は丸の方が早くたくさん流れるのです。
下の図のように丸形の樋は雨水が底に集まり流れます。角樋は横に平たく広がって流れます。
丸形なら小雨の雨でも中央に集まるためすぐに流れますが、角樋では横に広がる分だけ遅いのです。③に書いたサイフォンの原理を利用する角樋は、この雨水が樋の巾に溜まる(丸樋より遅く流れる)ことを利用していることになります。つまり、雨水を溜めるのではなく貯めるのです。
軒樋だけでなく、たて樋も四角形になっているようです。しかし、この理由はよく分りません。軒樋であろうとたて樋であろうと丸型の方が流れは早いはず、サイフォンの原理を利用するためにたて樋を四角にする理由はないと思います。
私が見たメーカーのカタログには実験を繰り返した結果4㎝角にしましたと書いてありますが、良く分りません。4㎝角の角樋は一般に使われている直径6㎝の丸樋に比べて断面積は六割程しかありません。たて樋の断面積を小さくした理由は、前回書いたようにサイフォン作用を起こすためと考えられますが、それでも丸樋を小さくすればより流れが速くなると思います。
たて樋を角にする理由は、デザインだけでしょうか?
次回は、『樋について⑤~日本の雨』です。
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