家の老化③~土壁の厚み
接着剤を使って作られた材料にとって最大の敵は温度と湿度(水)だと思います。合板や集成材は木を貼り合わせています。一つ一つは木材ですから温度が上がれば膨張、下がれば収縮します。同じように湿度が上がれば吸湿して膨張、湿度が下がれば放湿し収縮します。これを繰り返す(実際、毎日繰り返しています)ことで接着剤と木材は次第にはがれてきます。
はがれてしまえば、製品の寸法は変わり、強度も失われてしまいます。もはや、材料としての性能はありません。
最近、どこの家に使われている石膏ボードの表面の紙は吸湿、石膏も吸湿し、湿度が下がれば乾燥していきますが。これを繰り返すと紙も石膏も強度は失われていきます。
実際に私は30年程経った家で温度湿度の影響で石膏ボードがわずかに薄くなり、簡単に割れてしまうほど強度が落ちていたのを見たことがあります。ボードとしての形を保っているだけで、少し力を入れてつかむと紙に強度がないためつかんだだけ割れました。新品のボードならこのような割れ方はあり得ません。
次回は、『家の老化⑩~水が鍵2』です。
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