孤篷庵(こほうあん)を訪ねて3~忘筌-西向きの茶席
藤井厚二は気温、湿度などを調べて、日本では夏に快適に過ごすことが住宅に重要だと考え、そのために風をコントロールする必要があると考えました。90年前はエアコンもありませんから、自然の風を利用して如何に快適に生活できるかを実現したのが聴竹居です。
東南に面した縁側から風が家の奥まで入りますが、よく考えられているのはその風の質です。縁側の外の庭は緩やかに下がっていますから、南東の風は下から登るように入ってきます。その風は中に入る前に、縁側の前に植えられた楓と低木の間を通ってきますから、真夏のムシムシとした風は木陰の涼しい風に変わって入ってきます。そして、風の量は引き違いの窓で調整することができます。
広縁に入った風は部屋の中に入っていきますが、広縁の天井には開閉できる換気口が付けられています。暖かい空気は軽く、冷たい空気は重いですから縁側に入った涼しい空気は下に縁側の暖かい空気は上に行き天井裏に抜けていきます。家の奥へは涼しい空気だけが入っていくことになります。
また、縁側と居間の境、居間と客室の境の欄間は引き戸で開閉できるようになっています。客室と居間の暖かい空気は一室にこもらないで、縁側の天井から抜けるようになります。
次回は、「続 聴竹居を訪ねて③~三つの空気の流れその2」です。
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