地震で倒れた塀の記事から⑤~元々の目的は
瑕疵保険は2005年の耐震偽装事件がキッカケで制定されましたが、それまでに同じような仕組みがありました。似たような名前ですが「瑕疵保証制度」といいます。
この制度は、任意(入っても入らなくてもいい)だったので、入っている業者と入っていない業者がありました。私の工務店は2001年に(株)住宅あんしん保証と契約し、それ以降の新築物件には全て保証を付けています。
当時の保証する側の検査は厳しく、毎年決算書を提出して審査を受けて契約を更新していました。任意の制度ですから保証会社は経営状態が悪いなどの理由から断ることができたのです。
あくまで私の経験ですが、実は瑕疵保証の現場検査の方が厳しかったと思います。瑕疵保証の時は、現在の検査でもしている図面の通りに耐力壁などが施工されているかなどはもちろんのこと、検査員が足場にあがり隅々まで間近で見て金物の種類、取り付け状況、釘の打ち込みなど検査していました。土台と基礎がずれている、ホールダウン金物がないなど考えられないことです。現場で1時間ぐらいに時間をかけて検査していました。
瑕疵保険になって全ての新築住宅が対象になりましたから、検査する物件が増えたため、簡素化しないと手が回らなくなったのだろうと思います。当然時間も短くなりました。足場も上がりません。このことは、瑕疵保証の頃を知っている業者の方なら「その通り」と思っていると思います。消費者保護の為には任意の瑕疵保証制度の方が良かったと私は思います。
次回は、 瑕疵保険(かしほけん)はどうなった?④~見ザル、聞かザル、言わザルの現場 です。
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