Mybestpro Members

鈴木敏広プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

熊本地震で分かったこと⑫~私の経験、直下率の低い家

鈴木敏広

鈴木敏広

テーマ:地震

以前に私が見積ったある建築士の図面を見たときに、この人は何を考えているのだろう思いました。

その建築士の図面では、意識的に1階が壁なら2階は窓、1階が窓なら2階は耐力壁になっていました。しかも、家の角の一カ所は角の柱から90度サッシになっていて、そのサッシの上は耐力壁になっていました(下の絵参照)。前回のコラムからいえば直下率が低い家と言えます。

熊本地震で分かったこと⑫

その設計図には、耐力壁の計算書がついていて、その内容にも多々疑問点が多くありました。その家は総二階建てに一部平屋が付いていたのですが、その平屋部分に洗面、トイレ、浴室が計画されていて、その平屋部分の壁(小さな部屋が多いので面積の割に壁が多い)ほとんどに筋交いが入っていました。
本当は2階建の1階部分に耐力壁を入れ、総2階部分は平屋部分の耐力壁がなくても必要数量を満たすように計画し、平屋部分は補助のようにするべきなのです。

熊本地震で分かったこと⑫-2

上記のことと他の疑問点も含めて構造に関してたくさんの質問をその建築士に伝えましたが、指摘についてお礼が一言あっただけで見直しは一切されませんでした。
当然、仕事はもらえませんでしたが、今になって思えば計算してOKだから、問題はないとその建築士は思っていたのかもしれません。でも、意図的に開口部の上に耐力壁、耐力壁の上に開口部にし、柱に掛かる力を減らして強度のある金物を使用しない計画は理解できませんでした。

次回は、 熊本地震で分かったこと⑬~天王寺谷棟梁の言葉 です。

---------1955年以来の信頼と実績--------------
      まちの大工さん 鈴木工務店
TEL : 0532-32-4265 FAX : 0532-32-4251
E-mail : machino-daikusan@h3.dion.ne.jp
◆住まいに関することは何でもお気軽にご相談下さい
---------------------------------------------

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

鈴木敏広
専門家

鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

鈴木敏広プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

長く愛される住まい作りにこだわる一級建築士

鈴木敏広プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼