熊本地震で分かったこと⑭~通し柱不要論
10月9日のNHKの番組では、築10年以内の家(当然2000年基準の家)で倒壊した家の図面を元に京大の先生が計算していました。3Dのシュミレーションでは2階の東の部屋の間仕切りの下に壁がなく、その下の大きな居間から倒壊したようでした。2階の間仕切りは屋根も支え大きな負担をしていますから、直下に支える壁がないことが倒壊の大きな原因になったという説明でした。
雑誌にも同じ家の事が書かれていました。この家の耐力壁の直下率は約18%で、耐力壁の直下率は最低30%。前回書いたように50%以上が望ましいですから、かなり低かったことになります。また、柱の直下率は47.5%ですからこちらも足りません。
ただし、法律上、この家は問題ありません。基準法の耐震基準をクリアしています。何より、14日の震度7の地震には倒壊していませんから、極めてまれに起こる地震、震度6強以上の地震には一度は耐えています。二度目で倒壊したのです。
法律をクリアしても倒れる家と倒れない家がある、その差が直下率ではという説明の番組でした。
2000年の法律改正で壁のバランスを計算するようになりましたが、その計算は各階だけ、つまり、平面的な配置の計算だけで上下の配置については何もありません。計算しなくていいわけです。直下率は、上下のバランスを計算する方法といえます。これからの家の計算に入れた方が良いと思いますが、法律改正はしないようなので、直下率の高い家になるかは設計者の能力次第のようです。
次回は、熊本地震で分かったこと⑪~N値計算の問題 です。
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