熊本地震で起きたこと、分かったこと①~起きたこと
筋交いに比べ、面材の被害は少なかったようです。
面材とは、合板のような一枚の板を柱と梁、土台などに止めて耐力壁にする方法です。合板だけではなく、土壁も面材と考えられます。
面材は筋交いと違い、軸力ではなく、面で力を受けるため掛かる力は分散します。簡単に説明すると筋交いが線で抵抗するのに比べ、面材は面積で抵抗すると考えてください。
面材は、掛かる力が分散するため、部分が壊れても直ちに耐力壁としての力が失われません。筋交いよりも耐力壁として粘りがあるのです。今回、被害が少なかったのは、そういった理由と思われます。
ある雑誌に、最近は手間のかかる土壁は敬遠されているが、土壁は厚みがあるため少しずつ崩れるように壊れる、粘りがあるから見直してもいいのではという専門家の意見が書いてありました。ほとんどの土壁の家は昔の基準で建てられているため倒壊しているのであって、土壁の強度が低いわけではありません。現在の基準でバランスよく配置すれば効果はあると私は思います。厚みのある耐力壁をもっと考え直されてもいいのではないでしょうか。
次回は、熊本地震で分かったこと③~筋交いの方向性 です。
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